「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

数字ほどにさえないGDP、大きな被害をもたらした真夏の台風

 4〜6月期のGDP 国内総生産速報値が発表されました。前期比年率換算で6.0%増、3四半期連続のプラス成長で、伸び率は2020年10-12月期の7.9%増以来の大きさになったそうです。ただ見た目の数字ほどよくない状況のようです。

 輸出の復調が全体を押し上げ、輸入が減少しプラスに寄与したといいます。インバウンド 訪日外国人客消費が好調だった一方、個人消費は0.5%減と5期ぶりにマイナスに転じ、弱含んだ形になったそうです。

4~6月実質GDPは年率6%増、外需主導で3期連続プラス - Bloomberg

問題は全てが輸出主導で、内需の不安定な状況が覆い隠されたことだ。今年の経済活動再開による追い風にもかかわらず消費が落ち込んでいるのは、賃金がコストプッシュ型のインフレに大きく後れを取っている影響を反映している。(出所:ブルームバーグ

 輸出の先行きについても、海外経済が減速する中で慎重な見方もあり、日本経済が安定成長を継続できるかどうかは不透明な状況といいます。

 

 

円安、安全資産でなくなった「円」

 円もまた下落傾向のようです。中国を中心に世界経済の健全性に対する懸念が高まり、安全資産としてのドルに買いが入り高値を付けたことによるといいます。市場では政府・日銀による介入への警戒感が高まっているそうです。

NY外為市場=円が昨年11月以来の安値、介入警戒高まる | ロイター

 かつては安全資産といえば、円であったのですが、すっかりドルにそのお株を奪われたようです。政治の弱体化などの影響なのでしょうか。

論語に学ぶ

君子は其の言の其の行ないに過ぐるを恥ず。(「憲問第十四」27)

 君子 教養人は、自分の発言内容が、自分の実践内容よりも過大であることを恥とすると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

「成長と分配の好循環」、政府の掛け声と現実が乖離していくようです。その発言に責任をもち、結果につなげなければならないのに、防衛力の強化以外は号令を掛けることが仕事になっているようです。

 支持率の下落に歯止めがかからなくなるのも道理なのでしょう。マイナンバーカード問題、首相の最側近である木原官房副長官にまつわる疑惑など、不信拡大のネタをあげたらきりがありません。

 

 

「現状が続けば首相は解散できず、来年9月の(自民総裁の)任期満了で退陣」(自民長老)との見方も出始めている。(出所:時事ドットコム

 首相の頭の中はもっぱら支持率の回復と政権維持しかないのでしょうか。

支持率続落で早期解散困難に【点描・永田町】:時事ドットコム

「人事に悩む夏」、記事によれば、首相は自民党幹部との会食や会合を重ね、党内工作に勤しんでいるようです。ただ自民党の支持率も首相の支持率に連動する形で下落しているといいます。社会と向き合おうとしないのですからそうなってしまうのではないでしょうか。

真夏の台風7号

 台風7号が各地に被害をもたらして、日本海に抜けていきました。動きが鈍い真夏の台風の恐ろしさを感じます。毎年繰り返されるようになった甚大な気象被害。首相は危機感を抱かないのでしょうか。

政界では、マイナカード問題や原発処理水放出などで『どうする文雄』が注目されるが、本人は『とにかく明るい岸田』で、政権危機を乗り切る構えだ」(出所:時事ドットコム

 これでは、GDPの数字も憂慮せず、自らの言葉に責任を持たなくなるのも当然なのかもしれません。

 

「なぜ防衛費を上げるのですか」 小学6年生が岸田首相へ送った手紙 | 毎日新聞

 

「参考文書」

GDP年率6.0%増 4〜6月、輸出復調も個人消費は弱含み - 日本経済新聞