日本の衰退化傾向が顕著のようです。経済大国3位の地位から落ちるのも時間の問題で、遠からずドイツに追い抜かれるそうです。
要因は様々で少子化高齢化もそのひとつといわれています。
歴史の分岐点
通常国会が始まり、首相が施政方針演説しました。いつものように与党は絶賛し、野党は問題を指摘します。いつもと変わらない国会ということでしょうか。
課題先送りの日本脱却を 岸田首相臨む「歴史の分岐点」: 日本経済新聞
「今、われわれは再び歴史の分岐点に立っています」と、冒頭、首相は現在の国際情勢を鑑みて、そう述べました。
「今われわれが直面するさまざまな難しい、先送りできない課題に、正面から愚直に向き合い、一つ一つ答えを出していく」といい、防衛力強化の必要性から説きます。さらに日本の状況を語り、その各論について説明しています。
経済大国である必要はないのかもしれませんが、状況下が悪化し続ける中で生活するよりは、状況が改善していく中にいたいものです。
やはり活気があって、社会が希望にあふれていることの方がいいのでしょう。
一時的な政権交代はあったものの長く同じ政党による政治が続いています。その導きによって、今日の日本があるような気がします。先送りにできない課題を生み続けてきたのがこれまでの政治で、この歴史の分岐点という危機を作ったのも、また政治ではないでしょうか。
今年も「戦後最大の危機」との苦闘が続く首相は、「政権維持に自信満々で、さまざまな戦略を模索中」と記事は指摘し、この通常国会、4月の統一地方選、5月に開催されるG7サミット(先進7カ国首脳会議)での成果によって、その後の政局を占うカギとなると、記事はいいます。
4年8カ月の外相経験を持つ首相にとって、広島での〝G7議長外交〟は「政権浮揚のための晴れ舞台」(外務省幹部)だ。だからこそ「G7外交で内閣支持率が上向けば、解散断行のチャンス」(岸田派幹部)との思惑がにじむ。しかし、そこにたどり着くためには、内政での政治的関門を突破することが求められる。(出所:JIJI.com)
任期があっての首相という職、与党の支持なくしては任期も全うできず、ついつい政権維持の戦略が優先されがちになることは理解できます。
それにしてもです。それではこれまでと何ら変わらず、また同じがことを繰り得すのでしょう。
首相が口にした「歴史の分岐点」が現実化し、さらに状況が悪化しかねません。
論語に学ぶ
季康子(きこうし)問えらく、民をして敬、忠にして以て勧めしむには、之を如何せん、と。子曰わく、之に臨むに荘(そう)を以てすれば、則(すなわ)ち敬せん。孝慈(こうじ)もてすれば、則ち忠ならん。善を挙げて不能を教うれば、則ち勧めしめん、と。(「為政第二」20)
魯の国の権力者であった季康子が「私に対して、人民が尊敬しまごころを持ち、そして道徳的になる、そういうふうにさせたいのだが、どうすればよいのか」と質問しました。孔子は「人民の前で、やましい気持ちがなくピシッとすることです。そうすれば民は尊敬します。孝を実践し、民を慈しむことです。そうなれば、民はまごころを尽くします。善人を登用し、不善者に教えることです。そうあれば、善行をするようになります」と答えたといいます。
首相の座を射止めた岸田氏が、季康子にだぶります。支持率も低迷し、国民から信頼される首相になりたいのでしょう。
孔子ではないですが、政権維持したいなどやましい気持ちを捨て去り、国民のためだけに一意専心して欲しいものです。その覚悟を決め肝を据えれば、侮られることもないのでしょう。
優先されるべきは積極的な外交の展開です。同時に、外交には、裏付けとなる防衛力が必要です。(出所:日本経済新聞)
こんな言い訳をするからいつまでも侮れられるのでしょう。力に頼らなければ、外交もできないとは情けない話です。自ら「チエ」がないことを証明しているようなものです。
このままでは日本の低迷、衰退に歯止めがかかることはありそうにもありません。
「参考文書」