「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【分断から緊張緩和へ】動き出す欧米中、世論操作して国民に決意を求める不義な国

 

 国内企業が、「経済安全保障リスク」への対応のため、取引先との契約書を見直す動きが広がっているそうです。将来的な台湾有事を想定した対応も出ているといいます。

企業4割「経済安保で契約書見直す」台湾有事など警戒: 日本経済新聞

「不可抗力条項」を整備し、経済制裁が理由で契約が履行できなくても免責されるようにするなどの動きが目立っているといいます。記事によれば、直近3年で見直したり、今後見直しを予定したりする企業が主要企業の4割近くに上っているそうです。

 

 

緊張緩和

 一方、新型コロナの感染拡大や景気低迷に苦しむ中国が、米欧との関係の見直しを図っているといいます。中国政府は、米国との経済の分断「デカップリング」を警戒し、攻撃的な「戦狼外交」も抑制気味といいます。

米欧関係、仕切り直し 中国、「デカップリング」に警戒感:時事ドットコム

 中国は欧州首脳を招待し、要人たちが相次いで訪中しています。今後もマクロン仏大統領などの訪問も予定されているそうです。

 記事によれば、マクロン大統領も、先に中国を訪問したショルツ独首相同様、習主席との会談を通じ「デカップリングへの反対」を表明するとみられているといいます。

 中国は「ゼロコロナ」政策による経済の落ち込みが続いており、景気回復が優先課題となり、当面は米国との関係安定化を目指しているようだといいます。これを受けてか、欧米中のメディアは「米中関係に緊張緩和の兆しが見られる」と報じているそうです。

 中国は「分断」や「核」への反対といった足並みをそろえやすい分野で欧州と協調し、「対中包囲網」に揺さぶりをかける思惑があるようだといいます。

 欧米中それぞれが経済など自国への影響を睨み、決定的な対立を避けようと、巧みに外交を行っているのでしょうか。自国への悪影響を避けるのはごく自然なことではないでしょうか。

 

 

 日本政府の外交はどうなっているのでしょうか。結びつきの強い両国の経済関係への影響を避けようとしているのでしょうか。

 中華圏では春節休暇を迎え、インバウンドへの期待が高まりますが、中国からの訪日は回復とはなっていないようです。中国経済との結びつき企業は、日本政府の経済安全保障政策に警戒を強めているようです。

 これで安定的な賃上げを実現できる経済環境は整うのでしょうか。

決意せよ

 日本政府は、昨年12月に閣議決定した国家安全保障戦略で、中国の対外姿勢を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と表現し、国防への「決意」を国民に求めたといいます。

政府、国民に「決意」要求 安保戦略、中国にらむ防衛力強化 | 共同通信

 それに加え、この安保戦略を実施に移すため、世論説得に乗り出すといいます。記事によれば、安保戦略には、「国家としての力の発揮は国民の決意から始まる」と明記されているそうです。

 時代錯誤も甚だしく、世界のトレンドからも大きく乖離していないでしょうか。まるで好戦的な隣国の大統領のようです。

論語に学ぶ

天 徳を予(われ)に生ぜり。桓魋(かんたい) 其れ予を如何せん。(「述而第七」22)

 天はこの私に世を徳化する資格をお与えになったのだ。桓魋ごとき一軍人が、いったいこの私をどうすることができるであろうか。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子の使命観の表明であり、天命への確信と言われています。

 孔子の思想では「世を指導する」とは「世を徳化する」とし、そのためには、他人を感化できる優れた道徳性がなくてはならないといいます。つまり自分自身に「徳」がなければならないのです。

「徳」とは、「善」や「正義」にしたがう人格的能力、りっぱな行いや品性といわれ、社会的に価値のある性質のことを指します。「正義」は、明治以降使用されるようになった言葉で、もとは「義」であったといいます。「義」は、正しい道を歩むことであり、公共のために尽くす気持なども「義」とされます。

 

 

正しい道

 「正しい道」とは何であろうかと考えます。

 時代時代、その時々の環境にあって、正しい選択を行い、それを実践していくというプロセスの連続性を言うのではないでしょうか。

 正しい選択を行うには、学びの連続とそこから得ることができ、アップデートされ続ける教養が必要というのが孔子の考えです。

 そうであっても、時に誤った選択を行うこともあるのかもしれません。

 しかし、孔子はそうであれば直ちにそれを正せといって憚りません。これこそが「正しい道」を歩むこと、「義」、そして「正義」ではないでしょうか。

 欧米中は競争に勝利することを目論み、「正しい道」を歩もうとしていないでしょうか。恣意的に緊張を作り出しはするが、決定的な衝突は避けようと、状況を見てはそれを緩和させるために協調する、そうすることで自国民の安全と成長を維持していく。

 それを優先し実現するために、時として他国に経済的な犠牲を強いることは厭わない、そこにも協調という手段を巧みに利用していく。「協調」こそが相手を説得する有効な手段なのだから。

 

 

通常国会

 今日から通常国会が始まるそうです。選択を間違え、不義に陥りがちな暴走する首相を野党は止めることができるのでしょうか。

 防衛費増額の前に、賃上げや歴史的な物価高への対策などやらなければならないことが多々あるはずです。

 首相の目を開かせ、気づきを与えることが野党に求められています。