「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【善を挙げて不能を教うれば、則ち勧めしめん】 Vol.39-1

 

季康子(きこうし)問えらく、民をして敬、忠にして以て勧めしむには、之を如何せん、と。子曰わく、之に臨むに荘(そう)を以てすれば、則(すなわ)ち敬せん。孝慈(こうじ)もてすれば、則ち忠ならん。善を挙げて不能を教うれば、則ち勧めしめん、と。(「為政第二」20)

 

  (解説)

季康殿が質問した。「私に対して、人民が尊敬しまごころを持ち、そして道徳的になる、そういうふうにさせたいのだが、どうすればよいのか」と。孔子は答えた。「人民の前で、ピシッとすることです。そうすれば民は尊敬します。孝を実践し、民を慈しむことです。そうなれば、民はまごころを尽くします。善人を登用し、不善者に教えることです。そうあれば、善行をするようになります」と。論語 加地伸行

 

 人選、チーム作り、人事という言葉を連想する。また、子は親の背を見て育つという。長たる者が有徳者であれば、その徳が広く波及していく。 

 

 

「季康子」、魯国の実質的支配者である三桓氏の筆頭が季孫氏。季康はその当主。康は諡(おくりな)。魯の国の宰相で、その父季桓子はかつての孔子の同僚。

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 不善、不祥事が蔓延る世の中になったと思えば、それはリーダーたちの写し鏡ということなのだろう。  

 

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫