「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

体を揺さぶって熱を込めた首相の所信表明、それでも響かぬその言葉

 音楽シーンに新たなジャンルを切り開いた往年の巨星たちが逝去されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

谷村新司が遺した珠玉の言葉──目指すものを心から信じ切れるか | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

ブレイクできたアーティストと、そうでないアーティストの違いは何か。それは意志なんです。目指すものを心から信じ切れるかどうか。信じ切れない人は、あっちフラフラ、こっちフラフラしてしまう。それこそ鳥の目で見てみれば、よくわかるんです。(出所:Forbes)

 言葉に説得力があります。それ故の大ブレイクだったということだったのかもしれません。

 

 

熱がこもった首相の所信表明

「私の頭に今あるもの、それは『変化の流れを絶対に逃さない、つかみ取る』の一点だ」、「経済、経済、経済」と連呼し、「何よりも経済に重点を置く」と、体を揺さぶって今までになく熱を込め、危機感を醸して岸田首相が所信表明しました。

増減税、真意が見えない=所信表明演説 | 時事通信ニュース

 ただ批判が多いようです。言うことがコロコロ変わり、その意思がふらついているように見えるからでしょうか。

選挙結果

「『1年ほどは年貢をまけてやる。その後は永遠に多く取り立てる』とはまるで悪代官」と、自民幹部は首相を断じて、「徳島・高知の敗北を決定的にし長崎をさらなる苦戦に追い込んだ」と先の衆参補選結果を振り返り、語ったといいます。

岸田首相の孤立ぶり深刻、参院大敗で不信拡大「2敗なら『投げやり解散』」 政界の断面 | カナロコ by 神奈川新聞

 長崎で辛勝で全敗を逃れ「岸田おろし」の誘発は防げたものの、参院での大敗には政権内にも「減税のサプライズ演出が無駄だった」との不信が広がっているそうです。周囲に本音を明かさない岸田首相の深刻な孤立ぶりが浮き彫りとなってきたといいます。

 

 

「明日は今日より良くなる」と信じられる時代を実現すると首相は力を込めますが、フラフラ首相を誰が信用するのでしょうか。このままでは「明日は今日より悪くなる」をこの令和の時代に実感しそうです。

歴史の転換点

 亡き安倍氏の功罪を評する書籍がまた一つ刊行されたようです。「安倍は吉田ドクトリンに終わりを告げ、日本の国政術(ステートクラフト)の新時代を開いたのである」、シドニー大学アメリカ研究所所長のマイケル・J・グリーン氏がそう評しています。

安倍晋三が築いた日本の新しいグランド・ストラテジー:日経ビジネス電子版

首相が手にする戦略策定ツールとして、安倍によって整えられた仕組みを捨てたいという声は、首相の座を望む立場から聞かれたことは一度もない。当然ながら、これから先に日本の外的環境が劇的に変わるとすれば、現在の戦略フレームワークも変化するだろう。……とはいえ、大規模な外生的激動が起きない限りは、安倍がなしえたほどの大きなグランド・ストラテジーの転換がこの先しばらくの首相たちによって生み出されるとは考えにくい。(出所:日経ビジネス

「再び歴史的な転換点に立っている」と首相は所信表明でそう言いました。そうであるのなら、安倍氏の功罪を点検して、彼の戦略を見直さなければならないような気もします。

 ただ彼ほどの卓越したリーダーシップがないのなら、それも叶うことはないのでしょう。良くも悪くも彼の資質を超える意志がなければ、彼以上の功績を上げることはないのですから。

 

 

論語に学ぶ

利に放(よ)りて行えば、怨み多し。(「里仁第四」12)

  私利私欲、利害打算だけで行動すると、他者から怨まれることが多くなると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 今の首相にはこの言葉の意味すらわからないのかもしれません。大切なことを忘れているのでしょう。

 

「参考文書」

賃上げ・投資「3年で変革」 岸田首相が所信表明演説 - 日本経済新聞

岸田首相、「変化の流れ」連呼 経済移行の大チャンス―所信表明演説:時事ドットコム

キシダノミクスに潜むリスク 「円自警団」が警鐘 - 日本経済新聞

 


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