中古車販売大手のビッグモーターが、メガバンクと地方銀行からなる銀行団に借入金90億円の借り換えを求められていたそうです。しかし、銀行団はこの要請に応じなかったといいます。これを受け、ビッグモーターは返済期限を迎える週内に借入金を返すそうです。
銀行団、ビッグモーターに応じず 90億円の借り換え要請で | 共同通信
記事によると、保険金の不正請求などが発覚したことでビッグモーターの販売が大きく落ち込み、事業の先行きには不透明感が漂っているといいます。ただ昨年9月末時点で現預金は約320億円ほどあり、直ぐに行き詰まることはないようです。
銀行団は今後、企業風土の抜本的な改善が見込めるような実効性のある再建計画のほか、ビッグモーターの全株式を持つ兼重宏行前社長ら創業者一族の資産管理会社についても情報開示を求めていくとみられる。(出所:共同通信)
ニュースになるような話でもなく、あたり前のこと、道理ではないでしょうか。この社会を揺るがした出来事はどういう結末を迎えることになるのか、気になります。
論語な学ぶ
敝(やぶ)れたる縕袍(おんぽう)を衣(き)、狐貉(こかく)を衣(き)る者と立ちて、恥じざる者は、其れ由か。忮(そこな)わず求めず、何を用(もっ)てか臧(よ)からざらんとあり、と。子路、終 身 之を誦(しょう)す。子曰わく、是の道や、何ぞ以て臧しとするに足らん、と。(「子罕第九」27)
ぼろぼろになった綿入れの着物を着て、上等の毛皮の外套を着た人と並んで立って、ひけ目を感じないでいられるのは、由(子路)くらいだろう。「妬(ねた)まず、ほしがらず、どうして善い人間でないことがあろう」と孔子が子路をほめました。子路は喜んで一生この言葉を口ずさんでいたといいます。それを聞いた孔子は、この言葉どおりにしているだけでは、それが善が成立したというわけにはいかないと、軽くたしなめたといいます。
「忮わず求めず」、孔子の褒め言葉は、「詩経」「邶風(はいふう)」の「雄雉(ゆうち)」の中にある言葉といいます。「忮」は害する、つまりねたみ憎んで相手を害しようとすること。「求」は自分にないことを恥じて奪おうとすること。
人は富や名声を求めるばかりに、どこかの元副社長のように、ついつい悪口をいったり、相手をこき下ろしてしまうことがあるのでしょう。 しかし、そうしないからといってそれだけで道理が成り立つという訳でもないといいます。学ぶことで道理を知り、間違いも少なくなっていくのでしょう。
高度成長期の日本では、子路のような一本気の人が多かったようです。
その後の時代変遷とともに、日本人の思考も変化したのでしょうか。物質的に豊かになり、欲するものがモノから違ったものになり、それが強くなればなるほど、大事なことを忘れて、道理から外れていったのかもしれません。
日銀の政策修正効果
また円安基調に戻ったようです。日銀の金融政策修正の効果が長続きしていないとの見方もあるようです。それ以上に米FRBの動きへの警戒感もあるようです。
ドル円相場、円が今年の最安値に下落 1ドル=145円台前半 - 日本経済新聞
円安にも一長一短があるのでしょうが、あまり過ぎるとやはり弊害が気になります。国民には輸入物価の高止まりで負担になりそうです。しかし、輸出型に企業には喜ばしいのでしょう。ただ楽も過ぎれば規律が緩むのかもしれません。その上貸出金利が低くければ、金への緊張も緩みそうです。
お金はなくてはならないもので、その扱いは信用によって成り立っています。
日銀の金融政策の政策の正常化が進めば、社会の根幹である信用にも変化があるのかもしれません。そこに規律が回復すれば、経済の活性化ばかりでなく、持続的な成長につながっていきそうな気がします。