「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

はびこる悪質事件、出稼ぎ売春、裏金、進まない解決、滞る改革

 様々な事件や事故が起きてはニュースとなって流れてゆきます。悪質性が過ぎないかと感じることが増えていないでしょうか。「出稼ぎ売春」が新たな社会問題になっているといいます。背景に過度な円安があったり、「悪質ホスト」問題があったりするそうで、悪質ブローカーが日本人女性を海外渡航させるケースもあるといいます。

日本人女性「出稼ぎ売春」か ソウルで経営者検挙―韓国警察:時事ドットコム

 韓国では、日本人女性が検挙されたり、米国では、入国時に入国を拒絶されるケースもあるそうです。韓国のインターネット上に「列島の少女たち」という題で広告が...... なんとも悲しい現実です。

 

 

「売掛」「体が与信」、その債権回収がビジネスとなって成立し、あたかも人身取引のようになっているといいます。

「悪質ホスト」問題を追いかける海外メディア、ジャニーズ性加害問題に続くか - 弁護士ドットコム

 参議院で野党議員がこの問題を取り上げ、林官房長官が「人身取引議定書に定める人身取引に該当しうる深刻な犯罪であると認識をしている」と答弁したそうです。何か有効な対策が政治的に施されることはあるのでしょうか。

混乱

 しかし、政治はいまだ混乱を続けているようです。政治資金規正法改正案を巡る議論が与党間で続いているそうですが、自民、公明両党の溝は深く、平行線が続いているといいます。その距離は縮まりそうになく、自民が単独で法案を提出する公算が大きくなってきたといいます。

「山口さん、何を言うんだ?」耳疑った官邸幹部 自公の溝あらわに [自民] [公明]:朝日新聞デジタル

 公明党の山口代表は、野党との協議の前に、自公共通の与党案のとりまとめをめざす首相に対し、事件の当事者であるにもかかわらず、政治資金の透明化に向けた改革に後ろ向きの自民と一線を画したい意向から、「野党の考え方もうかがって幅広い合意形成をめざす努力も与党として必要だ」と首相に伝えたそうです。

 

 

 悪質な裏金事件とその後の経緯からして、建設的に議論するには首相の意識改革が求められていそうです。身内からも声があがるのに、それを無視し続ける魂胆は何なのでしょうか。

裏金は「トップが責任を」 自民車座対話、保守王国でも厳しい声 | 毎日新聞

 一方で、来月告示となる東京都知事選を巡っては、この事件を受け党勢の低迷が続いていることから、独自候補の擁立を見送る方向で調整に入ったといいます。「首都決戦」で敗北すれば、政権の求心力が低下すると懸念があるからだそうです。

自民、都知事選の擁立見送りへ 党勢低迷、小池氏と連携も | 共同通信

 やっていることが支離滅裂のようです。こんなときこそ、野党が攻勢を強め、政治改革を一気呵成に仕上げるべきなのでしょうが、こちらもこちらで色々事情がありそうです。

「今の野党のままでは自民は過半数とる」 次期衆院選に立憲・小沢氏:朝日新聞デジタル

「お互い大人になって、天下のために譲り合って力をあわせなくちゃ」「人間関係、信頼関係だ。野党第1党の代表には、(維新との信頼関係が)ないんじゃないか」「あの人なら絶対に信頼できるというふうにならなきゃだめだ」と小沢一郎氏が苦言を呈しています。また、政治資金規正法改正案の企業・団体献金政治資金パーティーの全面禁止についても批判しています。

 自民も自民なら野党も野党です。改革に求められる素養がわかっていないのでしょうか。人間性であったり、社会性であったり、経済性も必要だったりするのでしょう。政治的になり過ぎたり、イデオロギー対決になることは避けなければなりません。マインドセットを新たにして、建設的な議論をはじめなければ改革などありえません。

 

 

論語に学ぶ

明日(めいじつ)遂に行(さ)る。陳(ちん)に在(あ)りて糧を絶つ。従者病みて能(よ)く興(た)つこと莫(な)し。子路(しろ)慍(うら)みて見(みま)えて曰わく、君子も亦(また)窮すること有るか、と。子曰わく、君子固(もと)より窮す。小人は窮すれば斯(すなわ)ちに濫(みだ)る、と。(「衛霊公第十五」2)

 孔子一行は、色々とあって衛国から出国となり、陳国に滞在しているとき、困難に陥り、食糧がなくなりました。弟子たちは飢餓で立つことも出来ない状態になってしまいました。子路はむっとして孔子に「君子教養人も追いつめられることがあるのですか」といいます。孔子は「君子教養人とて、もとより窮することがある。小人は追い詰められると右往左往するものだと答えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 見識も徳、人間性もないと、困難に陥るとそこから抜け出ようと取り乱すばかりということなのでしょうか。そんな状態になれば、状況はさらに悪化していくばかりではないでしょうか。

 

 

 しかし、こんな状態であっても進むものは進んでいきます。不思議なことです。

米戦闘機の国内整備、機種拡大 三菱重工業・IHIに打診へ 【イブニングスクープ】 - 日本経済新聞

 その三菱重工の業績が絶好調のようです。純利益と売上高に当たる売上収益、受注高がいずれも過去最高だったといいます。宇宙に防衛関連、原子力、それに加えて国が擁護する火力発電、それらが大きく伸びているそうです。こんなに一極集中させることもなかろうにと思ったりします。

国会議員のパワハラ疑惑も

 自民党参議院議員の素行が問題になっています。地元自治体職員などに対する威圧的言動で批判を浴びせていただけではなく、中央省庁の官僚などにも同様の言動をしていた疑いが浮上しているそうです。

背景に「55年体制」 自民・長谷川岳氏の官僚パワハラ疑惑 | 毎日新聞

一つは国会議員の側に立った視点だ。国会議員からすれば理想とする社会や行政のあり方がある。有権者を背負っている選良なのだから自分の意見をもっと重視すべきだ、社会を良くすることに協力的であるべきだという考えを持ちがちだ。そのため、協力的でないと感じる行政の職員に対していらだちを隠さないというのがある。(出所:毎日新聞

 どうなのでしょうか。徳ある人格者といえそうにありません。こういう面も含めて改革できればいいのかもしれません。人が作ったどんなものはどんなでも早晩変わっていくものです。ぼちぼち古ぼけたものを変えていかなければならないのでしょう。

 政治改革とはもしかして究極的には議員たちの意識改革ということなのかもしれません。それができて始めて物事はスムーズに動き出し、スピード感が増すことになりそうです。

 

 

「参考文書」

小沢氏、企業献金禁止に反対 立民の改革案「ばかなこと」:時事ドットコム

“重大事態発生時の特例”地方自治法改正案 衆院総務委で実質的な審議始まる | NHK | 総務省

三菱重工の純利益など過去最高、受注高はGTCCや防衛事業が大幅増 | 日経クロステック(xTECH)