「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

根深い憎悪、変わらない米国頼み

 始めるのは容易く、終わらせることは難しい、ひとたび起きた衝突はなかなか終わりを迎えることがないようです。

 ブリンケン米国務長官イスラエルを訪問し、人道目的での「戦闘の一時停止」を呼びかけたそうです。

米 ブリンケン国務長官“戦闘一時停止 イスラエルと引き続き協議” | NHK | イスラエル・パレスチナ

 ただ調整は難航しているようで、「実施にはまだ準備や調整に時間がかかる」と会見で語り、引き続き協議を行う考えを示したといいます。

 

 

レバノン

 一方、レバノンに拠点を置く「ヒズボラ」が動きを活発化させているようです。ヒズボラの指導者ナスララ師が演説し、イスラエルによるガザ侵攻は米国による侵攻であるため、米国はガザ侵攻を止めることができると述べ、「地域的な戦争を防ぐにはガザ侵攻を直ちに止めなければならない」と語ったそうです。

ヒズボラ指導者、米にガザ攻撃停止を要請 中東「広域戦争」警告 | ロイター

 イスラエルの北隣のレバノンとの国境地帯での戦闘が「広域戦争」に発展する現実的な可能性があると警告しているそうです。

 まるで戦国時代に舞い戻ったような様相にも見えます。イランやロシアの影もちらほらしており、戦火が拡大しないことを祈るだけです。

ウクライナ

「ゼレンスキーの孤独な戦い」、ゼレンスキー政権内部の不和を示唆する内容が米誌タイムが報道したそうです。

ゼレンスキー政権内不和か 米誌タイム報道、波紋広がる | 共同通信

 ゼレンスキー氏は「私ほど勝利を信じている人間は誰もいない」と訴えたが、側近の一人は「大統領の頑固さが、戦略や方向性を示そうとする政権の努力に水を差している」と指摘。全土奪還にこだわるゼレンスキー氏に早期の停戦交渉入りを持ちかけることはタブー視されているという。(出所:共同通信

 言論統制される権威主義的色彩を濃くするロシアにおいては考えられない報道なのでしょう。こうした報道を手掛かりにして、変化を作れればいいのかもしれません。いずれにせよ、こちらも米国次第なのでしょうか。

 

 

フィリピン

 岸田首相がフィリピンを訪問し、マルコス大統領と会談し、中国を念頭に安全保障協力を強化するため、「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を通じて沿岸監視レーダーを供与することで合意したそうです。

岸田首相とフィリピン大統領 首脳会談 沿岸監視レーダー供与で合意 | NHK | フィリピン

 内にあってはもめごとが多いですが、この方面は着々と話が進んでいくようです。過度の刺激にならないことを祈るだけです。いつまでも安倍ドクトリンにしがみつかずに、今この情勢に合わせたアップデートがあっていいような気がします。

 両首脳でも確認したそうですが、解決には対話しかないのでしょう。

論語に学ぶ

公山弗擾(こうざんふじょう)費(ひ)を以て畔(そむ)く。召(よ)ぶ。子 往(ゆ)かんと欲す。子路 説(よろこ)ばず。曰わく、之(ゆ)く末(な)きのみ。何ぞ必ずしも公山氏に之(こ)れ之かんや、と。子曰わく、夫(そ)れ我を召(め)す者にして、豈(あに)徒(いたず)らならんや。如(も)し我を用うる者有らば、吾 其れ東周(とうしゅう)を為さんか、と。(「陽貨第十七」4)

 季孫氏の家老「公山弗擾(公山不狃)」が「陽虎(陽貨)」と組んで費を占拠して、叛乱を起こし、孔子を召し出そうとしました。すると孔子はそこへ往こうとしました。弟子の子路は賛成せず、「行きべきではない。どうして公山一族のところに行く必要がありましょうや」といいました。孔子は「そもそも私を召しだそうとするほどの者ならば、どうして単なる呼び掛けであろうか。もし私を用うるならば、私は周王朝の理想を、この東方のわが国に興してみせよう」と答えたといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

  このくらいの胆力があれば、不用な戦いを避けることができるのかもしれません。ただこの騒動で、孔子は「公山弗擾」につくことはなかったといいます。結局「公山弗擾」は戦いに敗れ、斉の国へ亡命したといいます。

 

 

米中対立

 経済小説真山仁氏が「ハゲタカ」シリーズの最新作となる『チップス』を日経ビジネスで連載を始めるそうです。米中の覇権争いの渦中にある台湾と、日本や世界の半導体産業をめぐる国際的なドラマを描くようです。そして、もう一つの大きなテーマが「戦争」になるといいます。先端半導体の圧倒的な巨人をめぐって戦争が起きるかもしれないという状況にあるからそうです。

「ハゲタカ」新作開始、舞台は台湾と半導体 真山仁氏に思いを聞く:日経ビジネス電子版

今の防衛力強化の話は、自主防衛をこれまで怠ってきたことのツケを払っているにすぎません。戦争が起こるかもしれない場面で本当の抑止力になるのは「戦争するのはムダだ」と思わせることでしょう。戦争をしなくても利益を分かち合える、戦争をしたらむしろ利益がなくなってしまう――と、まったく武器を使わない戦争のやめ方を示すのが今回の一番のテーマと言えるかもしれません。(出所:日経ビジネス

 戦争なき世界は、「虚構」フィクションだけでしか描くことができないのでしょうか。何か参考になるようなことがあればいいのかもしれません。

 現実の世界では、米中の首脳がAPECアジア太平洋経済協力会議に合わせて首脳会談を行うようです。

米中首脳会談「原則合意」 今月中旬APECで - 産経ニュース

 不要な衝突が起きないためには話し合うしかないのでしょう。前進があることを期待するだけです。

 

「参考文書」

安倍晋三が築いた日本の新しいグランド・ストラテジー:日経ビジネス電子版