「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

発言は慎んだほうがよい時もある、ロンドンで講演した首相

 

 𠮷野家の元常務の問題視された発言がまだ多少尾を引いているのでしょうか。それだけマーケティング業界にはインパクトのある出来事だったのかもしれません。

 生活者視線からすれば、この騒動が𠮷野家ブランド自体を棄損することは、結局ほとんどなかったのではないでしょうかと、マーケティング専門家の声をSankeiBizが紹介しています。

「マーケティング教」の毒にあたった? 吉野家への残念感(1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

 元常務の発言は吉野家ブランドのあり方とかけ離れていたものだったということに違いありませんとSankeiBizは指摘しています。

 この業界には、グローバルマーケティングという手法があるそうです。それは、目の届かない地域であってもブレないメッセージを送り、一貫したブランドアイデンティティを確立していくといいます。しかし、その手法は日本の生活者にとっては馴染まず、退屈でもの足りないと感じ、滑稽と感じることさえあるといいます。それもあって、日本独自のマーケティングが確立したといいます。そして、それは消費社会の急速な拡大とともに、その推進者として広告・マーケティング産業が盛り上がることになり、大いにもてはやされ、やがて誰もが疑わない成功の方程式とみなされるまでに至ったといいます。

 

 

 マーケティングは企業にとっては極めて重要な機能です。データによって市場を分析し、どんな商品やサービスを投入していくのか、またどんな広報、PR戦略を採用するのか等々。その結果次第で、業績を大きく左右します。記事も指摘していますが、それもあって、今回の騒動を起こしたような人物をマーケティング担当役員、マーケティング本部長など高位の役職でに招いているといいます。

論語に学ぶ

 哀公 社を宰我(さいが)に問う。宰我対えて曰わく、夏后氏は松(しょう)を以てし、殷人は柏(はく)を以てし、周人は栗(りつ)を以てす、と。曰わく、民を使(し)て戦栗せしむ、と。子 之を聞きて曰わく、成事(せいじ)は説かず。遂事(すいじ)は諫めず。既往は咎めず、と。(「八佾第三」21)

 魯国の君主である哀公が、孔子の弟子の宰我に社について質問をしました。宰我は「夏王朝では松、殷王朝では柏、現周王朝では栗を用います」と答えます。宰我はついでに「栗(りつ)は慄(りつ)に通じますので、人民に畏怖させ戦慄せしめるためです」と述べたといいます。

 後でこの話を聞いた孔子は哀公への応待について「できたことはしかたがない。すんだことは注意しない。過去は咎めない」と三度も言ったといいます。口を慎めを意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

「松柏」は、緑が一定し節操があることを意味します。

宰我」、姓は宰、名は予、字名が子我。孔子の弟子で、礼の専門家といわれ、能弁家で、弁舌さわやかであったともいいます。 

 

 

 首相が英国を訪問、ジョンソン首相と会談後、記者会見したそうです。こういう時期だから仕方ないのかもしれませんが、たびたび権威主義を批判します。

「民主主義同士は戦争しない」|【西日本新聞me】

 如何のでしょうか。宰我ではありませんが、「慄」を植え付けようとしていないでしょうか。「慄」とは、恐ろしくて身震いすること。そのための防衛力強化では本末転倒のような気がします。

 また、首脳会談の前には、ロンドンの金融街ティーで講演し、エネルギーのロシア依存度を低減するため原子力の活用を進める考えを示したといいます。

ロシア依存低減へ原子力活用、エネルギーに10年で150兆円投資=岸田首相 | ロイター

 講演の冒頭、岸田政権の経済政策「新しい資本主義」を説明。「日本経済はこれからも、力強く成長を続ける。安心して投資をして欲しい」と述べ、「インベスト・イン・キシダ」と呼び掛けた。(出所:ロイター)

 現実、投資は増えるのでしょうか。誰かの真似と見られそうです。この他にも話題性がありそうな発言が多々あったようです。何か口先ばかりで、アンバランスになってはいないでしょうか。

 

「参考文書」

岸田首相、「資産所得倍増プラン」を表明 貯蓄から投資へ誘導 | 毎日新聞

太陽光で広がる「電気余り」 東北電など出力抑制: 日本経済新聞

「これはまずいね」国家安全保障局 中国との合弁事業阻止に働きかけ:朝日新聞デジタル