「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

こんなときに防衛費増額ですか、首相はどんなリーダー論を持っているのだろうか

 

 支持率低下が続く内閣なのですから、国民目線の政策に変えれば、支持率も回復、政権の安定運営もできるのではないかと考えるのは安直過ぎるのでしょうか。

 何をやっても下落に歯止めはかかりません。支持率の回復に努めず、この他に何か優先すべきことがあるのでしょうか。それが高貴なものであればよいのですが、そうでなければ少々危険なことに思えます。

防衛費「5年間で40兆円超」で調整…27年度には「安保関連」がGDP比2%以上に : 読売新聞オンライン

 前のめりな自民党に加え、連立政権を組む公明党までが「日本が直接攻撃を受ける「武力攻撃事態」でなくても理論的には反撃能力を行使できる」との認識を示したといいます。危ない政権に思えてなりません。

 

 

 なぜ今、このような議論が必要なのでしょうか。

 出生数が極めて低下する事態になり、労働者不足の懸念がある中で、自衛隊にはそんな不安はないのでしょうか。まして内部ではセクハラの問題が生じ、その統率力にも疑問が残っています。こうした問題をおざなりにして、金額ありきの議論の目的は何でしょうか。

 日米同盟を破棄して基地がなくなれば、今ある緊張もなくなり、沖縄問題も解決に向かう。ただそうするためには、日米安保に代わる屈強な軍隊が必要とでも言いたいのでしょうか。また、そうであって真の独立国家になれるとでもいいたいのでしょうか。

 真の狙いは口が裂けても言えず、兎に角、既成事実化を急いでいるようにも見えます。

 他方、台湾の統一地方選では与党・民主進歩党が敗北し、蔡英文総統が党主席(党首)を辞任すると表明したといいます。圧力を強める中国に結束を示す機会と訴えていたそうですが、国民の支持は得られなかったようです。

台湾統一地方選で与党敗北、蔡総統が党主席辞任 | ロイター

地方選挙は一般的に新型コロナウイルス対策や治安といった域内問題が争点となる。しかし、蔡総統は今回の選挙を地方選以上のものと位置付け、中国との軍事的緊張の中で台湾がどのように民主主義を守るかを世界が注視していると語っていた。(出所:ロイター)

 選挙後、蔡氏は「結果はわれわれの期待通りではなかった。謙虚に結果を受け入れる」と語り党主席の職を辞したといいます。民に問い、賛同が得られないのであれば、時宜ではないとし、その政策を進めることを諦めることは理に適った話ではないでしょうか。

 

 

 一方、中国本土では、ゼロコロナ政策に対する抗議が活発化し、全土で勢いを増しているといいます。

中国各地で住民や学生が抗議、ツイッターの動画が拡散する怒りと不満 - Bloomberg

住民の怒りと不満は街頭での抗議活動に発展し、習近平国家主席の退陣を訴える声も聞かれた。住宅地では隔離命令に従わない住民と当局者らが衝突。大学のキャンパスでは学生らがデモを行った。(出所:ブルームバーグ

 極めて異例な事態といいます。国民に犠牲を強いれば、不満の声があがるのでしょう。この先、当局はどのように対応していくのでしょうか。

 時が進めば、状況は変化するものです。それを見誤ってはならなず、時々に応じた選択と決断が求められるのでしょう。

論語に学ぶ

善人も民を教うること七年ならば、亦(また)以て戎(じゅう)に即(つ)かしむ可し。(「子路第十三」29)

 善人が国を統治し人々を教えて七年も経てば、兵役に従事させることができるようになると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 ここでいう「戎」とは戦争を意味します。

「善人」は「君子」に次ぐ人材といいますが、知的訓練や道徳の修養はせず、持ち得た人柄の良い人のことをいうようです。それ故、その人柄のままに進み、我流を押し通すことになるそうです。ただそうした「善人」も他者に影響を及ぼすことは出来るといいます。

 論語では、「聖人」「君子」「善人」「小人」とか、「王者」「覇者」などの言葉で人の性格を論じ、学習の必要性とそれを続けることの大切さを説きます。
 他者との関係性を良好に保つために必要な要素を解説し、そのために自己の言動をコントロールせよと説きます。また、それがリーダー、指導者に求められる資質ということでもあるようです。人のタイプは多種多様で、それぞれの個性にあう適材適所が叶えばよいのでしょうが、必ずしもそうはならないのもまた現実なのでしょう。

 

 

 最近の政治家たちは、どうも孔子がいう「君子」タイプの人が少ないよう感じます。

「善人」のように人柄がよくて人を惹きつけることもあるのでしょうが、公序良俗とか道義を知らずに我流を通してしまう。また善悪の区別もつかずに、何かに感化されたりすることもあるのでしょうか。

 もしかして首相もそういうタイプの人なのでしょうか。

リーダーは『聖』という字を書く

左側に耳、右側に口、その下に王があります。たくさんの人の意見を聞き、自分の考えを整理して、周りに伝える。聞くと語るという2つの力がリーダーには重要だ(出所:日経リスキリング)

 孔子のいう「聖人」とはこんなイメージになるのでしょうか。

「リーダーはみんなの話を聞き、方向を定め、それを語るという重い役割を背負っています」と語るのは、郵便不正にまつわる冤罪事件に巻き込まれ、裁判で無罪を勝ち取った後、元厚労次官に就いた村木厚子さん、また、どんな決断の方法をとっても、決めること、そして、最後まで責任を持つということはリーダーにしかできませんといいます。

村木厚子氏 リーダーに欠かせぬ「聞く力・伝える力」|NIKKEIリスキリング

「自分が先頭を歩くリーダーは確かにかっこいいですが、必ずしもカリスマ性が必要なわけではない」ともいます。

 わからないことをちゃんと人に説明できて、相手の言葉を素直に聞けたときには物事がうまくいくといい、「一種の常識を持って判断し、いったん決めたらぶれない」と語られています。首相に聞かせたいリーダー論です。

 首相はどんなリーダー論をお持ちなのでしょうか。 

 

「参考文書」

日本への直接攻撃なくても「反撃能力」行使可能 公明幹部「存立危機事態も含まれる」 | TBS NEWS DIG (1ページ)