「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

繰り返される贈収賄事件、法規制しようとしない権力者たち

  日本の再生可能エネルギー活用の決め手といわれる洋上風力発電事業において、贈収賄の疑いがある事案が発覚、捜査が続いています。

 収賄が疑われる自民党の議員だった秋本真利氏が外務政務官を辞職、自民党を離党しました。一方、贈賄側の「日本風力開発」の塚脇社長は、秋本議員と競走馬の馬主仲間で、馬主組合を設立していたそうです。秋本議員の求めに応じて、現金を手渡したり口座に送金したりしていたと報じられています。

 常識的に見て、どうなのでしょうか。事実解明が待たれます。

 

 

 首相は「捜査機関の捜査が進んでいる状況なので、今の時点で政府としてコメントすることは控えなければならない」と語りましたが、自民党内ではこの件で支持率下落に拍車が掛かりかねないとの危機感が広がっているそうです。

自民、地検捜索で危機感 衆院解散「困難」の見方も―秋本議員:時事ドットコム

党内では今秋の衆院解散の可能性も取り沙汰されてきたが、捜査の展開次第では解散が遠のくとの見方も出ている。(出所:時事ドットコム

 相も変わらず、政権維持のための解散総選挙のタイミングのことが思考の中心ということなのでしょうか。

 そんなことだから問題解決が進まないのでしょう。そうであるにも関わらず、支持率獲得のために問題を掘り起こしては、取り組んでいるとのポーズをみせますが、同じことの繰り返しで問題は解決できません。こんな状態なのですから世間が混乱するのが道理なのでしょう。

 今ある社会課題を現実的にみて、現実的な解を求めさえすればいいのに、それができないのは、「政権」権力への執着を優先させるばかりで、国民を視て思わないからなのでしょう。

台頭するグローバルサウス

 G20の首脳会議が来月に開催されます。議長国のインドがグローバルサウスの代表格として、注目されるようになっています。人口増加が続き、中国を抜き世界最多となり、経済も堅調に成長し、経済規模で5位にのし上がってきています。

G20:インド、高まる存在感 今年、議長国 堅調経済「ソフトパワー」も魅力 | 毎日新聞

「我々の政権の3期目中に、インドは世界3位の経済規模になる」、来春の総選挙で3期目を目指すモディ首相が、G20首脳会議の会場施設の開館を祝う式典でそう述べたそうです。

 急速に世界の勢力地図が変わり始めているようです。勢いのある国との違いを痛烈に感じます。

 日本がこのままであれば、経済規模でインドに追い越されるのは時間の問題なのでしょう。少子化に歯止めかからず、経済活動が低調のままなのですから。

 経済規模の縮小にともなって影響力も弱まるのかもしれません。そうした焦りからか、政府は高い国民負担を求め、消費を増やして経済成長も求めます。苦しい状況が続くのも道理というものです。

 ほんとうはGDPがすべてではないはずなのに。

 

 

論語に学ぶ

人にして不仁ならば、礼を如何せん。人にして不仁ならば、楽を如何せん。(「八佾第三」3)

 「仁」を一言で定義することはむずかしく、人に対する愛情という概念に近いといわれます。そうした「仁」を持たないような人間が、礼や楽だといっても、できようはずはないと意味します。そんな人間が、学問だの、文化だの、と言っても始まらない。そうしたものは、仁から生まれたものなのだからといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

「仁」、生けるものの幸せを願う気持ち、人や物事、社会、地球にやさしく寄り添うあたたかい心のことをいう「コンパッション」という考えに近いのでしょうか。また、現代においては「ウェルビーイング」という言葉に置き換えてもいいのかもしれません。

 

 

 もう何年も「政治とカネ」のことがと取り沙汰されています。しかし、この解決もまったく進まず、同じことが繰り返されています。

「企業・団体献金の禁止にチャレンジしなければ政治は腐る」と野党党首が訴えています。その通りなのでしょうが、もう腐っているから自ら律して、「礼」規律を正すのことができないのかもしれません。腐った政治が社会へと伝播し、社会においても不正が蔓延していくのでしょう。このような状態では、社会の根幹であるはずの信用を回復するのはむずかしそうです。

 このままずるずると日本が衰退していくことは、誰の目にもそう見えるのではないでしょうか。

 

「参考文書」

【安藤優子の本音】岸田政権何でもかんでもと空回りや矛盾 : スポーツ報知

秋本議員 馬主組合口座1人で管理か 洋上風力発電めぐる事件|NHK 千葉県のニュース