「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

国家公務員も賃上げへ、ブラックな職場、官僚たちの労働環境は改善するのか

 人事院が、内閣と国会に対し、国家公務員の給与改定に関する勧告を行いました。国家公務員を志望する学生が減少していることから、大卒の初任給を1万1000円、高卒は1万2000円引き上げるよう求めているそうです。

国家公務員の給与 初任給1万円以上引き上げを勧告 人事院 | NHK | 働き方改革

 勧告通りに引き上げられれば、33年ぶりのことになるそうです。人事院勧告に従い、国家公務員の給与が引き上げられた場合、国の人件費の総額は今年度の当初予算より1720億円程度増えることになるそうです。また、同様に地方公務員では、自治体の人件費の総額は2870億円程度増えるといいます。

 

 

ブラック職場

『ブラック』というイメージがなかなか払しょくされず、こうした状況を打開しないといけないことは、霞が関の共通の思いだ。(出所:NHK

 人事院の川本総裁が記者会見で「応募者の減少や若手職員の離職の増加などにより、依然として厳しい、危機的ともいえる状況にある」と説明したそうです。

国家公務員の「週休3日」導入を勧告 “官僚離れ” 解消なるか | NHK | 働き方改革

 官僚となる国家公務員の採用試験の申し込み者数が、過去2番目に少なくなっているそうです。その理由は何なのか、きちんと把握して対策しないと、なり手不足の課題はいつまでも解決しそうにありません。

論語に学ぶ

篤く信じて学を好み、死を守りて道を善くし、危邦(きほう)には入らず、乱邦(らんぽう)には居(お)らず。天下 道有らば、則ち見(あら)われ、道無くんば則ち隠る。邦に道有りて、貧にして且つ賤(いや)しきは、恥なり。邦に道無くして、富み且つ貴きは、恥なり。(「泰伯第八」13)

 学問に対する信頼感を深くしそれを愛し、おのれの信ずるところを守って正しい道において生命を終える。危機に瀕した国には足を踏み入れず、無秩序に陥っている国にはとどまっていない。国家に道義が支配しているときは世の中に出て働き、国家に道義が存しないときは退いて暮らす。これが君子の取るべき態度である。

 だから国家に道義が支配しているときに、その善き政治に参画せず、貧乏で賤しい地位にとどまっているのは恥ずかしいことである。道義が地をはらった国家において、その汚れた政治から利益を引き出し、金持ちになり高い地位を占めているのは恥ずかしいことであると意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 学び得たもの、自分の能力を活かして、国のために貢献しようと思っても、官邸主導で、媚び諂い、忖度が蔓延し、秩序をなくしなおかつ過重労働を求められるブラックが過ぎる職場であれば、その志を貫こうにも果たせそうにもありません。それならば違う道を選ぶのも合理的な判断といえるのでしょう。

 汚れた権力に取り入ってまで、金や地位を求めても何ら意味がないと、学生たちも薄々感づいているのでしょうか。ましてトラブル続きなのですから。

 

 

 社会をよくしていこうと、サステナビリティSDGs、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン 多様性・公平性・包括性)が当たり前のように、企業や教育現場でも語られようになっているといいます。公平で、多様な人材が互いに尊重しあい、力を発揮できる環境を整える動きになってきているようです。

 そうした職場に人が集まり、こうした考えを否定する風潮が強い職場から人が離れていくのも自然な流れではないでしょうか。

 人手不足が深刻といわれます。国家公務員ばかりでなく、自衛隊も同様のようです。

 平和を守るために働く職場と、有事が想定され危険が伴う職場では大きな違いがあるのでしょう。人手不足はどう考えても国を守ることは出来そうにもありません。現実的に考えたほうがよいのでしょう。