「信用」は社会の根幹であるはずですが、それが崩壊してしまったような事象が続きます。この国の実情が深刻すぎるような気がします。
機械部品商社が粉飾決算で破綻 40行超が融資、負債280億円 | 共同通信
東京にある機械部品商社が粉飾決算の発覚により経営破綻していたそうです。その負債総額は約280億円に上っていたといいます。
記事によれば、破綻時点で多くの地方銀行など40行超が融資していたといいます。この融資の仲介役を、東京海上日動あんしん生命の男性社員が担っていた疑いがあり、地銀があんしん生命に事実関係の説明を求める声があがっているといいます。
同じグループ会社の東京海上日動火災保険では、損保各社と企業向け保険の保険料を事前調整していた疑いで、公正取引委員会が調査を始めています。
こうしたことがごく一部の問題ではないような気がしてきました。国も経済界も危機感を持つべきではないでしょうか。
防衛機密をハッキング
米ワシントン・ポストが、日本の防衛機密ネットワークに中国の軍事ハッカーがアクセスしていたと報じたそうです。
中国ハッカーが日本の防衛機密をハッキング、米国の通報で発覚 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
「これは衝撃的なほどに酷い情報漏洩だった」とポスト紙の取材に応じた元米軍関係者は語っている。(出所:Forbes)
たいへんショッキングなことです。記事は日本政府の対応の遅さを指摘し、「米国が同盟国である日本と共有する情報の量を減らすことにつながるかもしれない」と米政府関係者が語っていると伝えます。
しかし、日本政府がサイバー対策を強化しようにも、高度な能力を持った人材の確保がままならないようです。「次官級の待遇でもトップ人材は集まらない」と政府関係者が嘆いているそうです。
戦う覚悟
「戦う覚悟」と自民党の幹部が台湾で口にしました。こんな状況なのに、よくもそう言えるものです。センスを疑いたくなります。精神論の問題といいたいのでしょうか。
防衛費を増額にして能力強化しようが、情報がだだ洩れでは何ら意味をなしそうにありません。
戦前と同じ精神論で何とかなると信じているのでしょうか。もう少し合理的になって欲しいものです。問題対処力、解決力をまず身につけるべきのような気がします。
論語に学ぶ
君子は器にならず。(「為政第二」12)
君子 教養人は専門家ではない。器はすべて特定の用途のために作られ、それ以外の用途には適さない。舟は水に浮かべるが山に登れない、車は陸を行くが海は渡れない。君子は用途のせまい器のような専門家であってはならない.....
君子 教養人は美的修養に努めることのできる人間で、道徳的価値を内包していなければならないと読み取れるといいます。
権力を預かる人たちの傍若無人ぶりがますます甚だしくなっているようです。節度や分別をわきまえることできるのも、教養を身につけた君子だけなのでしょう。
「参考文書」
公取委が損保4社の調査開始、企業保険でカルテルの疑い-関係者 - Bloomberg
中国軍ハッカー、日本の防衛機密にアクセスか 米報道 - 日本経済新聞
日本のサイバー防御、人材確保が課題「次官級待遇でも集まらない」…中国軍ハッカー侵入 : 読売新聞