「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

変わらぬ経済成長重視の政策、どんどん忘れ去られる一人ひとりの国民

 

 政府が、骨太の方針 経済財政運営と改革の基本方針を閣議決定したそうです。気になる増税などの国民負担増には触れずに、転職促進などの労働市場改革や成長基盤となる少子化対策で、物価と賃金が安定的に伸びる「好循環」の実現を目指すと記しているといいます。

骨太の方針決定、賃金底上げで好循環 負担増踏み込まず - 日本経済新聞

骨太の方針は生産性の向上で賃金を底上げし、消費や設備投資を伸ばすことで「更なる経済成長が生まれる『成長と分配の好循環』を成し遂げる」とうたった。物価高に耐える構造的な賃上げにより「分厚い中間層を復活させる」狙いがある。(出所:日本経済新聞

「国民全体が将来に明るい希望を持てる経済社会をつくる」と首相は語り、 市場任せでは投資が手薄になりやすいとみて、政府が「予算・税制、規制・制度改革を総動員」すると打ち出しているそうです。

 日本経済を考えてのことなのでしょうが、せっかちに、そして、強引にものごとを進めようとしているように感じます。一見理はありそうですが、企業活動が鈍重過ぎると言いたいのでしょうか。その企業活動を支えているのは国民です。

 しかし、どんなに愚かな政策であっても、悲しいかな世の中はそれを無視することができません。愚かだと思いつつも、それを担っていかなければならなくなります。

 

 

 税収が増えているにも関わらず増税するといわれ、経済をさらに成長させるからもっと働き、問題解決しろといわれているように聞こえてしまいます。

 こうした態度が、反発を招き、結果につながらなくなっていくのではないでしょうか。また、急激な変化を求めるからかえってを不安を助長していくのでしょう。

 そうではなく、筋道や物語性を大切にし、どうすればよりよい方向に近づいていけるのかを示すべきなのでしょう。

 ただでさえマイナンバーカードの問題が未解決のまま残っています。よくいえば課題なのかもしれませんが、課題ばかりが増えて、誰がそれを解決していくのでしょうか。いつものように解決されないまま、政府に都合よく、国民には不都合なことが押しつけられていくことになるのかもしれません。

論語に学ぶ

富と貴きとは、是れ人の欲する所なり。其の道を以てせざれば、之を得るも処(お)らざるなり。貧と賤とは、是れ人の悪(にく)む所なり。其の道を以てせざれば、之を得るも去らざるなり。君子、仁を去りて、悪(いず)くにか名を成さん。君子は終食(しゅうしょく)の間も仁に違うこと無く、造次(ぞうじ)にも必ず是に於いてし、顚沛(てんぱい)にも必ず是に於いてす。(「里仁第四」5)

財産と高い地位とは、人間の求めたがるものである。しかし、正当な方法を用いなかった結果であるならば、たとい得たとしても私はそこにいない。貧困と低い地位とは、人間の嫌うものである。しかし、正しい方法を用いなかった結果であるなら、たといそうなっても私はそこから出ようとはしない。

 君子 教養人たる者は、「仁」正当なあり方を外れて、どうして「君子」と名乗れようか。君子 教養人は、食事中という短い時間においても、正当なあり方を忘れない。いや、慌ただしいときでもそうだ。いや、倒れた時においてもそうなのだと意味します。

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「仁」は最高の基本的価値であって、君子 教養人であれば、「仁」以外の居り場所はないと孔子は諭し、また、仁の徳を守る人はおのずと富みかつ貴くなるはずであり、不仁者は貧しく賤しい地位におちるはずであるといっているそうです。

 

 

 国民よりも経済など二義的なことを重んじる不仁な首相の巻添いで、国民は疲弊し、貧しくなっていきそうな気がします。こんなことがまかり通ってよいのかと感じます。