「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

吹き止んだ解散風、内閣支持率下落、この国のリーダーの素養

 リーダー次第で、よき結果を得ることができたり、その正反対で失敗が起きることは誰も知ることです。

 そう思えば、リーダーは慎重の上に慎重を期して選ばれるべきなのでしょうが、必ずしも優れた素養や資質を持った人が選ばれることがないのもまた事実です。

 世間において、繰り返し同じような失敗が繰り返されるのは、それ故ということなのでしょうか。

 

 

東証プライム上場の「空港施設」で、国土交通省のOBが暗躍し、後輩の同省OBの副社長を社長にしろと要求したことが問題になった。空港施設は民間企業であり、歴代の国交省OB社長に代わり、JAL出身の乗田俊明氏が社長になった。....(中略).....ポストを奪われた国交省は、なんとしても社長ポストを奪取したいと考え、OBが暗躍し、墓穴を掘ったのだろう。(出所:時事ドットコム

 未だにこんな悪習が続いていることに驚かされます。官僚はポストに対する執着が強いからではないかといいます。

次の「社長」は誰? いろいろと変わってきた企業の後継者選び【江上剛コラム】:時事ドットコム

「空港施設」のケースでいえば、現社長が今後進めるであろう経営改革を国交省が意地悪して、邪魔することも否定できないといいます。それを監視するために、株主やメディアの存在があり、もし仮に国交省が意地悪をしようものなら、強く断罪すべきだと記事は指摘しています。

 優秀であった人であってさえ、環境次第で悪しき習慣に染まり、容易に感化されてしまうということなのでしょうか。

#055 「偏差値は高いが美意識は低い」という困った人たち|山口周

 また、同じように官僚が権限を持つような企業が多いそうです。金融や放送などはその典型といいます。こうした企業においても、官僚OBの暗躍を許さないようにすべきといいます。

論語に学ぶ

哀公問うて曰わく、何を為せば則ち民服せん、と。孔子対(こた)えて曰わく、直きを挙げて諸を枉(まが)れるに錯(お)けば、則ち民服す。枉れるを挙げて諸を直きに錯けば、則ち民服せず、と。(「為政第二」19)

 魯の君主哀公が「どのようにすれば、人民は服従するであろうか」と質問します。孔子は「 「直」すなわち正しい人間を抜擢して、「枉」、真直ぐでない、正しくない者の上に置くならば、人民は服従する。逆に、不正な人物を抜擢して、これを正しい人間の上に置くならば、人民は決して服従しないだろう」と答えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 哀公が治めていた頃は各国で農民の反乱が多発し、それにおびえての質問であったのだろうと言われます。

 

 

吹き止んだ解散風、内閣支持率下落

 また、内閣支持率が下落傾向に転じたようです。マイナンバーカードへの不信感、公私混同とみられた長男翔太朗氏の問題などが引き金になったようです。

岸田内閣支持率33%、1カ月で12ポイント下落 毎日新聞世論調査 | 毎日新聞

 衆議院の解散を見送ったのは正解なのかもしれませんが、それによって、自ら権力への執着ぶりを証明しているようにも感じます。

 こうした振舞いが続くから、それに従う官僚たちもわかりやすい権力構図に侵されていってしまうのでしょうか。

高市氏の発言と官僚の萎縮 「政治主導」の宿題は残されたままに:朝日新聞デジタル

 元来権力を監視すべきメディアまでが、官僚OBを介して、同じ様な構図を持つことになっていくのなら恐ろしいことが待っていそうな気がします。

 

「参考文書」

来年秋の保険証廃止に反対72% 内閣支持率は40%に下落 | 共同通信

岸田内閣支持率40%、6ポイント下落 共同通信世論調査 - 日本経済新聞