「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

エネルギーの地産地消に動く住民、いまだに石炭火力に執着する政府の無理解

 

 「山が生む林や水や風こそ地域の宝。それらを生かせば、エネルギーの自給自足は十分可能」と会津電力の磯部英世社長が山を指さしてそう話しているそうです。

「木々も雪もエネルギーのかたまりです」。

会津電力」、福島第一原発の事故後、脱原発を掲げ、市民らがつくった発電会社といいます。

 それに対し、「わが国は山と深い海に囲まれ、再生エネ適地が限られる」と首相は再エネ開発の難点を強調し、原発の建て替えや60年超の運転を容認する新方針を閣議決定しました。

脱原発掲げる「会津電力」が福島の自然フル活用で再エネ拡大 太陽光、小水力、風力にバイオマスまで:東京新聞 TOKYO Web

 「会津電力」は、すでに太陽光や小水力で発電し、年内には風力発電も始め、さらに地元の森林を活用したバイオマス発電を加えるそうです。

 記事によれば、原発事故後、全国各地に地域の市民、企業、自治体が出資する地域電力会社「ご当地エネルギー」誕生しているといいます。

 

 

 ロシアによるウクライナが侵攻が始まり、化石燃料が高騰を始め、それに円安が加わって、電気料金が跳ね上がる事態になりました。

 今こそ、消費者の負担を減らすためにも、エネルギーの自給自足に直結する地域電力の支援は急務と記事は指摘します。

 しかし、現実には、送配電線を所有・管理する大手企業は、送配電網に再エネ電力を受け入れることを制限し、火力や原発を優先しているといいます。また、経済産業省もそれを容認しているそうです。

G7で対立構図

 G7主要7カ国の気候・エネルギー・環境相会合が4月に札幌市で開かれるそうです。

 開催を前に議長国日本が示した共同声明原案に反発があるといいます。

日本の共同声明原案、他のG7が反発 石炭火力の全廃時期示さず | 毎日新聞

 4月の会合に向けて各国に示した原案では、石炭火力について、22年の共同声明の表現をほぼ踏襲し、同じ表現を維持しようとしているといいますが、これに対し、日本以外の6カ国からは「踏み込みが足りない」などと注文が相次ぎ、日本と他6カ国の対立構図になっているそうです。

 防衛費増額については新たな国民負担を強いてまで協調を図りながら、石炭火力ではG7と反目し、なおかつ国内では、健全な市民活動を阻害するような行動をとることが不思議でなりません。

論語に学ぶ

直きを挙げて諸を枉(まが)れるに錯(お)けば、則ち民服す。枉れるを挙げて諸を直きに錯けば、則ち民服せず、と。(「為政第二」19)

 真っ直ぐな人物を登用して曲がった連中の上に据え置きさえすれば、民は服従するが、その逆で、不正な人物を抜擢し、これを正しい人間の上に置くのなら、民は決して服従することはないだろうと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 これは、年若く無力だった魯の君主哀公との問答に出てくる孔子の言葉です。当時は、各国で農民の反乱が多く、それにおびえての質問であろうのだろうと言われます。正しい人間が不正な人間を感化すべきと孔子は言っているのでしょう。

 そうあるべきなのでしょうが、日本政府を見る限りではその逆で、平気で不正を行う者を上に据え、「直」であろうとする者を不正へと誘い、感化しているように見えますが、それは気のせいなのでしょうか。

 こうしたことが長く続いているような気がします。最近においても同じで、立場に窮したり、辞任せざるを得なくなった閣僚が多く見るようになっています。

 古代のような農民蜂起は起こらないのかもしれませんが、それに類似するような行為が多くなっているのかもしれません。冒頭の「会津電力」もその一例といっていいのではないでしょうか。

 

「参考文書」

営農型の太陽光発電施設「ソーラーシェア」事業拡大に向け 東急不動産など関連する12社が連携|東急不動産のプレスリリース