同性婚についての岸田首相の発言が物議を醸す中、共同通信が世論調査を実施し、「認める方がよい」との回答が64.0%だったといいます。
また、「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」との岸田首相の国会答弁について「適切でない」との答えが57.7%に達しているといいます。
同性婚導入、賛成64% 内閣支持横ばい、共同調査:東京新聞 TOKYO Web
同性婚について「認めない方がよい」は24.9%で、「認める方がよい」が大きく上回ったそうです。
また、岸田内閣の支持率は33.6%で、前回調査から横ばいだったそうです。
与党一部議員の意見を尊重し、世論を無視することは許されるべきことなのでしょうか。
無視される少数意見、原発の運転期間延長
原子力規制委員会が開かれ、原子力発電所の運転期間を実質的に延長する政府方針を受け、老朽化に対応する新しい制度の採決を行った結果、委員の1人が反対、全会一致とはならず、異例の多数決で決定したといいます。
原発老朽化対策の新制度 1人が反対 多数決で決定 原子力規制委 | NHK | 各地の原発
記事によれば、反対した委員は「科学的・技術的な新しい知見に基づいた法律の変更ではなく、安全側への改変とは言えない」と述べ、原子炉等規制法から運転期間の規定をなくすのは安全性を高める変更ではないと指摘したといいます。
また、「電力会社の責任で不備があって審査を中断するなどした場合でも、その分あとで運転期間を延ばしてよいというのは非常におかしいと思う。審査をしている人間からすると耐えられない」と問題視したそうです。
これに対し委員長は、「運転期間に制限をかけるのではなく、ある期日が来た時に基準を満たしているかどうか安全規制をするのがわれわれの任務」と述べたといいます。
委員長は、原発の運転をどのくらいの期間認めるかは政策判断との考えに基づいているのでしょうか。
今なお再稼働できない原発が多数あり、中には自治体が根強く反対しています。その背景には再稼働に対する住民の不安があるのではないでしょうか。
問われる東電の適格性 新潟・柏崎刈羽原発の再稼働問題 是非巡り県の判断に注目 - 産経ニュース
少数であれ、安全に疑問を呈する意見がある中で、拙速に結論だそうとする姿勢では不安解消にはならないはずです。住民たちの声を無視し続けてよいのでしょうか。
呪縛
九州電力は原発を再稼働させ、一方、再稼働を目指す東京電力の柏崎刈羽原発では、度重なる不正が発覚し、原発事業者としての適格性が問われています。また、中部電力の浜岡原発は、南海トラフ巨大地震を念頭にし原子力規制委員会の審査が続いています。
浜岡原発再稼働に道 御前崎市民、拭えぬ不安:中日新聞しずおかWeb
電力会社、政府の本音はどこにあるのでしょう。
みなでべき論を語るばかりになっていないかと危惧します。それぞれの電力会社にとって事情は異なるのでしょう。それぞれが抱える課題を鑑みて判断すべきようにも感じます、
福島の事故の反省を活かすならば、人間の対応には限界があると知るべきなのでしょう。
東京電力 小林会長 柏崎刈羽原発の再稼働時期 明言避ける|NHK 新潟県のニュース
事業会社は事故は絶対に起きないとの確信を持てているのでしょうか。そうでなければ、諦めがあっても許されてもいいのかもしれません。
こうあるべきに縛られては、議論しても無意味になることもあるのでしょう。
トルコ・シリア大地震
トルコで発生した大地震で、トルコ南部からシリアにわたって甚大な被害となっています。自然の力を前に人間の力など無力に等しいと感じます。
論語に学ぶ
法語(ほうご)の言(げん)は、能(よ)く従う無からんや。之を改むるを貴しと為す。巽与(そんよ)の言、能く説(よろこ)ぶこと無からんや。之を繹(たず)ぬるを貴しと為す。説こびて繹ねず、従って改めず。吾 之を如何ともする末(な)きのみ。(「子罕第九」24)
正論には従わないことができようか。正論に従い欠点を改めるのがよい。一方、遠まわしの忠告の場合、喜ばない者はない。しかし、その真意を求めることが大切。けれども、喜ぶだけで真意を求めないものだから、欠点を改めない人がいる。こういう人はどうしようもないと意味します。
個人の内にある欠点は正すべきであろうし、正すことは有益なことなのかもしれません。しかし、正すことのことのできない欠点も世の中には存在するのではないでしょうか。
それなのに無理強いをするから、思わぬ事故になったり、大惨事になるのではないでしょうか。
「参考文書」
問われる東電の適格性 新潟・柏崎刈羽原発の再稼働問題 是非巡り県の判断に注目 - 産経ニュース