マイナンバーカードのトラブルはいつになったら収束するのでしょうか。
首相が国会で謝罪したそうですが、議論は延々と続いているようです。誰がマイナンバーカードの信頼性を回復するのでしょうか。
マイナ問題で岸田首相が謝罪 早期の衆院解散は遠のいた? 緊迫する終盤国会の行方は|FNNプライムオンライン
12日、国会で何度も笑みを見せた岸田首相。
早期の解散・総選挙が取りざたされる中、野党側はマイナンバーカードをめぐる問題で追及を強めている。(出所:FNNプライムオンライン)
なぜこうした報道になってしまうのでしょうか。最大の関心事は、マイナンバーカードの信頼性回復のはずです。国民を愚弄しているとしか思えません。
先に問題が発覚した「コンビニ交付サービス」の総点検が各自治体で行われているそうです。当初は総点検を6月4日までとしていたそうですが、6月半ばまで一部延長するといいます。
試練続く富士通Japan、コンビニ誤交付トラブル巡り河野デジ相からは「強い叱責」 | 日経クロステック(xTECH)
個人情報を扱う以上、ミスは許されることがありません。一度不具合が確認されれば、人手をかけ再点検をせざるを得なくなります。無駄なことのように見えますが、再発防止につなげていくにも必要な措置なのでしょう。
各自治体から順次「問題なし」との宣言が発せられているようです。この点検が終わったのち、誰が最終的に問題ないと確認し、その再発防止策とともに、安全宣言するのでしょうか。曖昧にしてならない問題のはずです。こうした問題とその対策を追求するのも、国会議員と報道の役割ではないでしょうか。
マイナ保険証、年金などでも問題が立て続けに確認され、人手をかけて対応せざるを得なくなっているようです。
「マイナ保険証」トラブル、首相が謝罪 河野デジタル相は更迭せず:朝日新聞デジタル
政治的な対応のまずさが禍根となっては、信頼の回復につながっていかないような気がします。
論語に学ぶ
君子は信ぜられて、而(しか)る後に其の民を労す。未だ信ぜられざれば、則ち以て己を厲(やま)すと為す。信ぜられて而る後に諌(いさ)む。未だ信ぜられざれば、則ち以て己を謗(そし)ると為す。(「子張第十九」10)
君子 教養人は、人々の信頼を得た後で、人々に働いてもらうようにする。人々からまだ信頼を得ていなければ、自分たちをつらいめにあわしていると思う。諫めるときは信頼されたその後にする。まだ信頼を得られないうちに諫言すると、自分を非難していると思われと意味します。
首相は今日13日に、今後の少子化対策について記者会見を行うそうです。「解散」について何を語るのかが注目されるとFNNは報じます。
これで蔓延る不信を払拭し、「信」を醸成していくことができるのでしょうか。
遠いデジタルガバメント
こうもトラブルが続くと、マイナポイントを付与してまでマイナンバーカードの導入を急いだ目的が薄れます。一体何だったのでしょうか。
首相は、マイナ保険証によって過去の服薬情報や健診結果などのデータに基づく適切な医療が受けられると強調し、「メリットを着実に実現するためにも、来秋の保険証廃止に向けて取り組みたい」と述べ、また、デジタルガバメントを推進していくといいます。
「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」
社会全体のデジタル化は、国民生活の利便性を向上させ、官民の業務を効率化し、データを最大限活用しながら、安全・安心を前提とした「人に優しいデジタル化」であるべきです。(出所:デジタル庁)
理念とかやりたいことは理解できても、それで具体的にどうなって、国民はどんな利益、便益を享受できるのかがよく理解できません。それがリーズナブルなものと認識して、「信」を得られるような気がします。また、それを簡潔、明確に説明する義務が政府にあるはずです。
それとも世にいう政府・公官庁の生産性向上の掛け声だけで終わってしまうのでしょうか。
「参考文書」
コンビニ交付サービスの総点検を6月半ばまで一部延長、新たな誤発行も2市町で判明 | 日経クロステック(xTECH)
マイナンバー(個人番号)制度・マイナンバーカード|デジタル庁
マイナ保険証、資格未確認時に全額の自己負担回避 首相 - 日本経済新聞
口座開設の本人確認、マイナンバーカードに集約 懸念払拭急務 - 日本経済新聞