「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

次々明るみになる世間を騒がす出来事、信頼感が崩壊していく社会

 

 世間を騒がすようなことばかりが続いています。マイナンバーカードにおける失態。「どうしても避けられない人為的なミスがある」という説明が言い訳に聞こえます。ポイント付与してまで推進してきたのに、「これでは....」と感じます。結局、マイナンバーカード導入は何が目的だったのでしょうか。効率化されず、生産性が上らないお手本になっているような気もします。信頼感がますます遠のいていきます。

ジャニーズ問題

 ジャニーズ問題が国会 衆院予算委でも取り上げられたそうです。首相は、野党が提案している児童虐待防止法改正について「政党間で議論を深めてほしい」と述べたといいます。

ジャニーズ問題、政党間で議論をと首相 | 共同通信

 この問題についての報道が増えているようです。数十年にわたって沈黙を続けてきた日本のメディアが取り上げ始めているといいます。知らず知らずのうちに、こうした問題を許容していたことに気づかされます。

 とある社会学者は「テレビ局は性加害を報じなかった。が、社会や、「私」たちの、性加害への関心はどうか? 社会は性加害という問題に向き合ってきただろうか。私も例外ではない。裁判があったことさえ知らなかったし、知ろうともしなかった。恥ずかしいことだと思う(引用:日経ビジネス)」と語っています。

 

 

 英BBCがこの問題をドキュメンタリーで報じました。

加害が明るみに……それでも崇拝され 日本ポップス界の「捕食者」 - BBCニュース

 レポーターを務めたモビーン・アザー氏が衝撃を受けたのは、ジャニー氏の性加害に関する名誉毀損の裁判が行われ、未成年と性的関係を持ったということを認める判決が、すでに東京高裁で出ていたにもかかわらず、これだけ情報が出てこないのはなぜかと疑問を感じたそうです。

どこかに記事があるはず、警察の捜査が行われたはず、あるいはこの事実をもみ消すPRキャンペーンが行われたはず、と考えましたが、何も見つかりませんでした。公的な情報としてジャニー氏の行為は記録されているのにもかかわらず、国や警察、司法、そして芸能界も、それ以上深入りをしていなかったのです。私がこれまで取材してきたものとは、明らかに異質でした。(出所:NEWSPICKS)

【週刊文春編集長】メディアとジャニーズ、「蜜月終了」の裏側

 岩盤のように強固だったジャニーズのメディア支配は崩れはじめていると記事は摘しています。この問題に切り込んだ週刊文春は、メディアにわずかに残っている「良心」に賭けたそうです。どうような結末になるのでしょうか。

相変わらずの政界

 その週刊文春が、首相秘書官を務める岸田翔太郎氏が昨年末、親戚一同とともにに首相公邸で忘年会を開き、公的なスペースなどで写真撮影に興じていたと報じます。

岸田首相一族が首相公邸で大ハシャギ 「階段寝そべり」写真と翔太郎秘書官の「閣僚ひな壇」撮影 | 文春オンライン

 こんな現実もあるようです。「良心」のかけらもないのでしょうか。少々度が過ぎているような気がします。

 一方、昨年9月にも催された安倍元首相の国葬について、毎日新聞内閣府に「参列者や招待者の名簿、招待者の選出に関わる文書」を情報公開請求した結果、氏名などが黒塗りされた資料が大量に開示されたといいます。「まるで桜を見る会? 黒塗りの情報開示から見えた安倍氏国葬の姿」と報じています。

 相変わらずということでしょうか。ため息がでるような現実です。権力の監視が切実に求められているのでしょう。こうした状況を放置していて、法の支配下が成り立つのでしょうか。甚だ疑問です。

 

 

論語に学ぶ

政を為すは徳を以てす。譬(たと)うれば北辰の其の所に居りて衆星(しゅうせい)之と共にするが如し。(「為政第二」1)

 為政者は民衆の模範となる有徳者でなくてはならない。そうであれば、その徳を慕って人々が集まってくる。例えるならば、北辰(北極星)がその位置に定まり、大空いっぱいにひろがる星たちがそれと共に動くようにと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 天空の中心にある北極星を衆星が取り巻き回転するように、中心にいる者は無の状態であるべきで、その行為は、私心なく自然にして適切な対応となるはずであるとも意味します。

 政界ばかりでなく、企業などあらゆる組織のリーダーに求められることなのでしょう。かつては著名なリーダーがそんな雰囲気を醸していたのでしょうが、残念なことにそう感じさせる逸材がいなくなっているのかもしれません。

 品格、人格を軽んじ、私心、己の欲得を追う人を中心にした社会になっているということでもあるのでしょう。あってはならないのですが、色々ミスが多発するようになるのも、こうした信頼感を醸成できない社会が遠因になっているような気がします。

 

「参考文書」

全健保組合に点検要請 マイナ保険証の誤登録問題―厚労省:時事ドットコム

公金受取口座を誤登録 マイナンバーひも付けミス―デジタル庁、総点検実施:時事ドットコム

“秘められたスキャンダル”放映するBBCと、上辺の同情はびこる社会:日経ビジネス電子版

【BBC記者】ジャニー喜多川が「お咎めなし」でいられた理由

まるで桜を見る会? 黒塗りの情報開示から見えた安倍氏国葬の姿 | 毎日新聞