政府が医療DX推進本部を立ち上げたそうです。医療分野でのDX デジタルトランスフォーメーションを推進し、サービスの効率化・質の向上を実現、国民の保健医療の向上を図り、最適な医療を実現するための基盤整備を進めるといいます。これに合わせ、紙の保健証を廃止し、2024年秋にマイナンバーカードと一体化する方針を公表しました。
政府がそれほどまでに急ぐ理由を、「医療費が増大する中で、医療の効率化をはかる「医療DX」を進めたい狙いがある」と朝日新聞は指摘します。
マイナ保険証、国はなぜ前のめり? 拙速批判とまだファクスの現場:朝日新聞デジタル
マイナ保険証は、システム上に記録された患者の受診歴や特定健診結果、薬剤情報などを確認できる。医師や薬剤師は患者の同意を得てこうした情報を閲覧でき、重複する投薬や検査の回避や慢性疾患を踏まえた治療が可能となる。(出所:朝日新聞)
良い方向に解釈するのなら、国民皆保険制度を維持していくためには、医療現場の改革は避け得ず、ムダを排除して、医療費の増大に歯止めをかけたいということでしょうか。ただそう素直には言えず、「患者がより良い医療サービスを受けられる」と説明したりするのでしょうか。
改革なり、改善を進めようとすれば、その当事者は反対の声をあげるのが常です。様々な報道がなされては反発の声があがります。また、日本医師会も前向きとは思えないコメントを公表しているようです。
【速報】「混乱生じる可能性、政府は手当てを」健康保険証廃止・マイナカード一本化で 日本医師会がクギ刺す|FNNプライムオンライン
「医療現場でも混乱が生じる可能性もある。しっかりと手当てをして頂きたい」と日本医師会の松本会長が定例会見でそう述べたそうです。
効率化が進み、簡略化できればばありがたいはずなのに、一方で見える化が進むことで困ることでもあるのでしょうか。何か既得権益でもあったりするのでしょうか。
コロナ渦において、その対応に並々ならぬ努力はあったのでしょうが、その一方で色々な不正まがいな行為もあったように記憶しています。医療DXを推進するということ自体はよいことなのかもしれません。ただ理解を得ながら進めるには難しいテーマなのでしょう。
論語に学ぶ
辞(じ)は達するのみ。(「衛霊公第十五」41)
「文章を書くなら、達意であれ」、言葉は、その意味が相手に伝わることが大切なことなのですから。
問題山積で解決が進まず、なおかつ世間を揺るがすようなことばかりでは、何ごともその意が伝わらず、理解が進まないのでしょう。
リーダーの人となり、魅力が乏しいと疑いの目が向けられてしまうのでなおさらではないでしょうか。パーソナリティ、個性を磨き、人格を高めていかねばならないのでしょう。
「言語の本質は情念の表現であり、起源は音楽と同一だ。感情や情緒を表す言葉に人は引かれ、話し手と聞き手の間につながりが生まれる。しかし、岸田さんの語りには人との共感や心の結び付きを感じさせる言葉が非常に少ない」(出所:JIJI.com)
岸田首相の言葉はなぜ響かないのか【政界Web】:時事ドットコム
岸田首相の『聞く力』がどのくらいか疑問だが、まず必要なのは『話す力』のトレーニングという米ユタ大学の東照二教授の分析をJIJI.comが紹介しています。
「信頼と共感の姿勢を大切にしながら、正道を一歩一歩前に向かって歩んでいく」と締めくくった所信表明演説の最後一文から、「信頼と共感の政治」を実践するのに足りないのは、ちょっとした”工夫”なのかもしれないといいます。
「政治家は相手を引きつけて離さないアーティストでなければならない」というのが、東教授の持論だそうです。
功罪、人徳は別にして、故人もそうだったのかもしれません。それだからこそ、惹きつけられた人も多かったのでしょうか。
「参考文書」
マイナ保険証の“ゴリ押し&恫喝”義務化に「廃業に追い込まれる!」医療現場の悲鳴上がる|日刊ゲンダイDIGITAL
健康保険証、マイナカードに一本化 河野氏が骨太方針を前倒しか | 毎日新聞