「デジタル政府指数(2023年版)」でも、日本はランキングを落とすことになったそうです。他の国が新型コロナの感染拡大をきっかけに、政府の電子化を強力に進めたのに対し、日本での対応は遅れ、前回順位の5位から31位に急落したといいます。
デジタル政府、日本は33カ国中31位 コロナ禍対応遅れ急落 首位は韓国 - 産経ニュース
調査はOECD加盟国38国の内33国を対象に行われ、「政府のデジタル優先度」「データの利用状況」「デジタル基盤」「開かれた政府」「国民需要への対応」「デジタル化への積極性」の計6分野で評価したといいます。
マイナ保健証の利用も進まず、国のデジタル化は信用されていないようですし、納得のランキングなのでしょう。それだけ政府が信頼されていないことの証でもありそうです。
自民党のデジタル化
自民党本部が派閥に代わって人事情報を一元的に管理する仕組みをつくる方針といいます。
自民党、人事を党本部で一元管理 実績などデータベースに - 日本経済新聞
所属議員の専門や実績を管理するデータベースや評価基準を整える。政務三役や党のポストへの多様な人材登用につなげたり、人材育成に活用したりする運用をめざす。(出所:日本経済新聞)
党総裁である首相が本部長を務める政治刷新本部に作業部会を設け、そこで人事機能やガバナンスの具体策を詰めるそうです。
記録を残さず、記憶が曖昧な議員ばかりなのですから、やらないよりはやった方がよいのでしょう。しかし、今さら感が否めません。デジタル化に疎く興味もない、古い慣習に縛られ改革志向もない、こんな議員が、国の停滞の原因になっていたのかもしれません。
軽率な大臣
国会では、盛山文科相と旧統一教会との関係の質疑が続いています。「LGBT問題、同性婚合法化は慎重に扱う」などと記されていた教団側の推薦確認書に、盛山文科相がサインしていたといいます。
旧統一教会から「選挙支援」報道 盛山文科相、写真示され「うすうす思い出してきた」「推薦確認書にサインしたかも…」:東京新聞 TOKYO Web
「十分に把握をすることなく、実質的に選挙戦に入っているところで、一つの会場からまた次の会場へといっていたような時期だったので、十分に内容をよく読むことなくサインしたのかもしれません」と盛山氏は答弁したそうです。
信じがたいことです。こんな人格で大臣、議員が務まるのでしょうか。首相は、こんな大臣でも更迭する気はないようです。データベースを整えても、これではムダになりそうな気もしますが。
論語に学ぶ
能(よ)く礼譲を以て国を為(おさ)めん。何か有らん。礼譲を以て国を為むる能(あた)わずんば、礼を如何せん。(「里仁第四」13)
「礼」人間社会の規範、そして、謙譲の精神、これによって政治を行ってみよ。困難があるだろうか。礼と謙譲をもって政治を行うことができなかったならば、「礼」規範があっても何の役にも立てないと、孔子はいいました。
規範とは、判断や行動を導く基準で、個々の行動を規定し、社会全体の秩序を保つ役割を果たしています。法律や規則は社会の公的な規範であり、違反すると罰則が科せられます。道徳や慣習は社会の非公的な規範であり、これらを守ることで社会の一員として認められ、尊重されるといいます。
自民党内には古くからの慣習が色濃く残っていそうです。それに従えば、党内では認められて、大臣ポストとか得やすくなるのかもしません。しかし、その慣習は、社会のそれとは大きく異なるのかもしれません。
デジタル化で意識改革が進み、開かれた自民党、開かれた政府になればよいのでしょうが、そこに至るにはまだまだ時間がかかりそうです。
国民負担の軽減とか、実質賃金の上昇、将来不安の解消などなど、国民が求める課題解決が進むことは当面なさそうです。