子曰わく、能(よ)く礼譲を以て国を為(おさ)めん。何か有らん。礼譲を以て国を為むる能(あた)わずんば、礼を如何せん。(「里仁第四」13)
(解説)
「人間社会の規範、そして、謙譲の精神、これによって政治を行ってみよ。困難があるだろうか。規範・謙譲をもって政治を行うことができなかったならば、礼があっても何の役にも立てない。」(論語 加地伸行)
ロナルド・レーガン、ミハイル・ゴルバチョフ、マーガレット・サッチャー、この3人の協力なくして、ベルリンの壁崩壊、東西冷戦の終結はなかったという。
マーガレット・サッチャー、強硬な姿勢から「鉄の女」とも呼ばれた英国初の女性首相。鉄の女といつ冷徹なイメージとは違って、英国民に愛されていたという。
東西冷戦を終わらせたマーガレット・サッチャーは英国民に愛されていたと聞く。
「君は臣を使うに礼を以てし、臣は君に事うるに忠を以てす」
かつて、英国民は、サッチャー元首相にそんな姿勢をみていたのだろうか。
と、樋口廣太郎さんの「つきあい好きが道を開く」を参考にして「八佾第三」19で書いた。
そのサッチャーさんを知る人物は、
『サッチャー元首相も私に対しフェアに接してくれました。それは、英国民そして英国のリーダーである首相にもFairness(平等・公平さ)の精神があり、たとえ私が日本人であろうと皆が平等に接してくれたのだと考えています。』と語り、『英国では彼女の政治姿勢に異を唱える人が多かったことも事実であり、二分された評価や、そのパブリックイメージは今後も変わることはないでしょう。』(出所:Forbes)
ともいう。
能く礼譲を以て国を為めん
彼女の心根は、「Freedom & Discipline(自由と規律)」と「Fairness(平等・公平さ)」ということにあったのだろうか。それがパブリック精神になったのか。
礼譲とパブリック精神
酷評もあるのかもしれない。それでも英国病を乗り越え、英国に再び活気を取り戻した彼女の功績は大きい。
(参考文献)