子曰わく、人にして不仁ならば、礼を如何せん。人にして不仁ならば、楽を如何せん。(「八佾第三」3)
(意味)
「人間としてだめであるならば、その人が学問だの、文化だの、と言っても始まらない。」(論語 加地伸行)
「仁」とは、主に「愛」を指すが、広くは人間として持つ「人の道」を指す。
「仁」という言葉は、「論語」全篇にあらわれている多くの意味を統合したものであって、一言で定義することはむずかしいが、人間に対する愛情ととっておいてよいだろう。そうした仁を持たないような人間が、礼や楽を習ってみても、できようはずはない、もともと礼楽は、仁から生まれたものなのだからと桑原は解説する。
「礼」は規範を形に表現したものであり、音楽がそれに伴う。孔子学団の主たるカリキュラムはこの礼楽の学習だったという。知識、学問、文化の意を表すという。
「礼節は仁の貌(表現)」であり、「歌楽は仁の和(ハーモニー)」であるというそうだ。
2011年に家入一真さんがCampfireを立ち上げた。その後も進化を続けている。この9月に新たなクラウドファンディング、キャンプファイヤーオーナーズを始めるという。
このクラウドファンディングは現代の礼の形を現したものか。
家入一真さんの著作を読み、彼の生き様を考えると、そこに映し出されるのは「仁」という言葉。彼が事業として始めたクラウドファンディングは、彼のその「仁」を表現したものではないかと思う。
キャンプファイヤーオーナーズを始めるにあたり、家入さんは、『クラウドファンディングを通じて金融サービスへのアクセスを容易にして、金融包摂、フィナンシャル・インクルージョン(貧困者や小規模事業者などでも手軽に金融サービスを利用できるようにすること)を実現していきたい。』(出所:Forbes)という。
そして、また、『購入型のクラウドファンディングを7年やってきたが、その中で、いくつかの課題が見えてきたからだ。例えばお金を集めたはいいが、リターンを返すことで疲弊してしまうプロジェクトオーナーもいた。例えば『ゲストハウスを立ち上げる』というプロジェクトなら、『無料で泊まれる』といったリターンを提供する。だが、そうではなくて、『日々の経営で得た利益の中から、資金を返済する』というほうが(事業と)相性がいいケースだってある』(出所:Forbes)ともいう。
クラウドファンディングでは、必ず出資していただいた人に何らかリターンする。いわゆるお礼だ。その「礼」の形を変えていく家入さん。
「人にして不仁ならば、礼を如何せん」
この言葉に家入一真さんの姿を見る
(参考文献)
融資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Owners」2019年9月11日より投資家登録受付を開始|株式会社CAMPFIREのプレスリリース