「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【人にして不仁ならば、礼を如何せん】 家入一真とクラウドファンディング Vol.46

 

 子曰わく、人にして不仁ならば、礼を如何せん。人にして不仁ならば、楽を如何せん(「八佾第三」3)

  

(意味)

「人間としてだめであるならば、その人が学問だの、文化だの、と言っても始まらない。」論語 加地伸行

 

「仁」とは、主に「愛」を指すが、広くは人間として持つ「人の道」を指す。

  

 「」という言葉は、「論語」全篇にあらわれている多くの意味を統合したものであって、一言で定義することはむずかしいが、人間に対する愛情ととっておいてよいだろう。そうした仁を持たないような人間が、礼や楽を習ってみても、できようはずはない、もともと礼楽は、仁から生まれたものなのだからと桑原は解説する。

 

「礼」は規範を形に表現したものであり、音楽がそれに伴う。孔子学団の主たるカリキュラムはこの礼楽の学習だったという。知識、学問、文化の意を表すという。

「礼節は仁の貌(表現)」であり、「歌楽は仁の和(ハーモニー)」であるというそうだ。

 

dsupplying.hatenadiary.jp

 

 

 2011年に家入一真さんがCampfireを立ち上げた。その後も進化を続けている。この9月に新たなクラウドファンディングキャンプファイヤーオーナーズを始めるという。

 このクラウドファンディングは現代の礼の形を現したものか。

 家入一真さんの著作を読み、彼の生き様を考えると、そこに映し出されるのは「仁」という言葉。彼が事業として始めたクラウドファンディングは、彼のその「仁」を表現したものではないかと思う。

 キャンプファイヤーオーナーズを始めるにあたり、家入さんは、『クラウドファンディングを通じて金融サービスへのアクセスを容易にして、金融包摂、フィナンシャル・インクルージョン(貧困者や小規模事業者などでも手軽に金融サービスを利用できるようにすること)を実現していきたい。』(出所:Forbes)という。

 そして、また、『購入型のクラウドファンディングを7年やってきたが、その中で、いくつかの課題が見えてきたからだ。例えばお金を集めたはいいが、リターンを返すことで疲弊してしまうプロジェクトオーナーもいた。例えば『ゲストハウスを立ち上げる』というプロジェクトなら、『無料で泊まれる』といったリターンを提供する。だが、そうではなくて、『日々の経営で得た利益の中から、資金を返済する』というほうが(事業と)相性がいいケースだってある』(出所:Forbes)ともいう。

 

 

クラウドファンディングでは、必ず出資していただいた人に何らかリターンする。いわゆるお礼だ。その「礼」の形を変えていく家入さん。

 

「人にして不仁ならば、礼を如何せん」

 

この言葉に家入一真さんの姿を見る

 

 (参考文献)  

融資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Owners」2019年9月11日より投資家登録受付を開始|株式会社CAMPFIREのプレスリリース

 

forbesjapan.com

 

techable.jp

 

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