「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

史上最高値の日経平均株価、久々に注目集まる日本、進めたい政財界の改革

 国内外を問わず色々な出来事があって、価値観が少しずつ変わっていきそうです。終わらない戦争、長引く平和への模索。政治の失敗は国内ばかりでなく、国際社会においても同様のような気がします。こうした失敗を繰り返して、世界もまた少しずつ変化していくのかもしれません。

 日本では日経平均株価が34年ぶりに過去最高値を更新し、明るいニュースがある一方で、裏金事件を端にして政治の腐敗が明るみになり、自民党政治の限界が見えてきています。因果めいたものを感じなくもないです。一強他弱、強固になった自民党一党支配が崩れれば、日本の経済ももう少し健全さを増し、株価上昇が続く可能性もあるような気がします。

 

 

 裏金事件に揺れる自民党はほんとうに変わっていくことはできるのでしょうか。存続する派閥から離脱する議員が現われ、その心中を語り始めています。

だから私は派閥をやめた 岩屋元防衛相、古川元法相に聞く決意【政界Web】:時事ドットコム

 現状の総裁選のしくみの問題点を古河元法相は指摘し、この見直しがあれば、自然と派閥の必要性は消滅していくだろうといいます。

政党や派閥は政治の道具にすぎない。道具に縛られあちこちに気を使っているような政治家は何人いても役に立たない。一人一人の政治家が自立していることが何より大事だ。(中略)議員連盟でも勉強はできる。政治家は小学生ではない。国政を任せるにふさわしいと思って選んでもらっているのだから、自分で学んでいくことが何より大事だ。(出所:時事ドットコム

 求められている政治改革を推進し、それで国民の信頼を回復することができなければ、「自民党は終わる。最後のチャンスだ」と古川元法相はいいます。少しばかり変化の芽が出始めているのでしょうか。

 真直ぐに改革する方向に進めばよさそうなのものですが、首相を筆頭に政治の中心に巣くう人たちはなぜかそうならず、わざわざ問題を複雑化させる方向へ方向へと行こうとするのはなぜなのでしょうか。生産性向上が求められる社会になっているのですから、政治自らがクソみたいな仕事を止め、非効率を慎み、最善を常に模索するようになれば、社会にもよい影響を与えることになりそうなが気します。

 

 

論語に学ぶ

有子曰く、その人と為りや孝弟にして、上を犯すを好む者は鮮(すく)なし。上を犯すを好まずして、乱を作(な)すを好む者は、未だ之れ有らざるなり。君子は本を務む。本立ちて道生ず。孝弟は其れ仁の本為るか。  (「学而第一」2)

 弟子の有子は、「孝悌から為る家族道徳を守るような人柄で、反逆を好むというようなことは人は少ない。反逆を好まない人柄であって、にもかかわらず叛乱をしたがるというようなことは絶対にない。君子 教養人は、人としての根本について努力する。なぜなら、根本が確立すると、生き方としての道がわかるからだ。孝悌が「仁」すなわち人間愛、ヒューマニズムという生き方の根本なのだ」といいました。

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 親が親として振舞い、子が子として務める。上位者が上位者の責務を果たし、下位者は下位者としての任を全うする。そういう理想があってその通りになっていれば、この世は争いもない理想なものになっているのでしょうが、現実には、孔子が生きた古代からそうはならなっていないからこうした言葉のあるのでしょう。

 親も上位者も理想的ではないから、子も下位者も孝悌を全うできないということなのかもしれません。上位者がそれに気づいて自らを律するべきなのでしょうが、どうにも怪しい。それゆえ、下位者は尊敬の念を持ちつつも、上位者をやんわりと諫めなければならないということなのかもしれません。

 

 

 上位者があまりにも強大過ぎるとなかなか声が下から上には上っていかないのでしょう。それは問題を起こしている国を見れば明らかなのでしょう。

 ちょっとそんな雰囲気が漂い始めていた自民党の中から異議を申し立てる人が現れていきたのは救いになるのかもしれません。その異議が反乱を起こそうとするものではなく、単に良くしたい動機からであれば、それが改善とか改革につながっていくのではないでしょうか。そうすることでがクソどうでもいい仕事が減ることにつながっていくのかもしれません。

 

「参考文書」

7) 我々の社会はコミュニズムで成り立っている。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞