声を上げる人たち、説明責任を果たせない人たち - 「論語を現代に活かす」　時代を超えて読まれた名著

かつて自民党政治に関わった人たちまでもが政権を批判します。大島元衆議院議長は、「政党には有権者に対する説明責任がある」と指摘し、国会で説明責任を果たす方策をよく検討してほしいと述べたそうです。首相の指導力の欠如を指摘しているのでしょうか。

日本の政治は過去安倍派に率いられてきたが、その安倍派が長年権力の陰で国民を欺いてきたことに誰が責任をとるのか。（出所：中日スポーツ）

元外務審議官の田中均氏は、「このまま実態を包み隠していくのなら、政権交代して出直す以外に道はない」と述べたといいます。

岸田政権の対応のまずさも度が過ぎるということなのでしょうか。

しかし首相は相変わらず、合理性を欠く、言い逃ればかりを続けています。

企業献金守ろうと、古すぎる判決を持ち出す岸田首相のご都合主義具合の悪い新しい判決はスルー：東京新聞 TOKYO Web

「抜本的な政治改革をしようという時に、50年以上前の古い考えを土台にすること自体がおかしい。企業・団体献金は民主主義、国民主権とは相反する」と、元自治省選挙部長は語ったといいます。

教育勅語礼賛

そんな中、ある自民党安倍派議員が過去の遺物となった教育勅語を礼賛したそうです。一部保守層の歓心を買う狙いがあったとみられるといいます。

杉田水脈議員、教育勅語を礼賛「なに一つおかしくない」｜共同通信

教育勅語を巡り杉田氏は、父母への孝行や夫婦の和といった道徳項目を念頭に、児童虐待やいじめの防止に役立つと強調。「教育勅語を家庭や学校教育でしっかり教えることが一番の近道です。そのためにも学校の先生にこそ、知ってほしい内容です」と記した。（出所：共同通信）

一方、劇作家・演出家の鴻上尚史氏は批判の声をあげます。

21世紀に、民主主義を否定する「教育勅語」を持ち出すことがそもそも信じられないのだが、この中の「父母ニ孝ニ（子は親に孝行を尽くしましょう）」を無条件で推奨している政治家は、この言葉と考えが子供を縛り、毒親に苦しみ続ける子供を産み続けている現状をどう思っているのだろう。この世の中には…
— 鴻上尚史 (@KOKAMIShoji) 2024年2月19日

論語に学ぶ

季氏周公より富む。而（しか）るに求や之が為めに聚斂（しゅうれん）して之に附益（ふえき）す。子曰わく、吾が徒に非（あら）ず。小子（しょうし）鼓を鳴らして之を攻むるも、可なり。（「先進第十一」17）

季氏は周公よりも豊かであった。にもかかわらず、冉求は季氏のために税を多く取り立て、季氏をさらに富ませていた。孔子は「もはや私の仲間ではない。弟子たちよ、まっこうからその罪を声（な）らして攻めてよいぞ」と言いました。

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「季氏」は魯国の実力者であるが、魯の君主の家臣に過ぎない。冉求は、さらにその季氏の臣であった。冉求の行為は季氏に対して「忠」とみえるが、魯の君主に対して「不忠」となる。そうであれば、結局季氏への「不忠」にもつながるといいます。

民主主義国家であれば、議員は国家すなわち国民に「忠（まごころ）」を尽くすべきであって、それ以外を優先することがあってはならないはずです。ましてそこにおカネが絡むようであればなおさらです。「金権政治」「利権政治」の始まりです。

こうした不忠には声を上げて抗議せよということなのでしょう。

米国では、人気歌手テイラースウィフトさんが国政に影響を与える存在となりつつあるそうで、大統領選の争いにも巻まれているようです。

テイラー・スウィフトがアメリカの未来を動かす！？計り知れない影響力とは | Forbes JAPAN 公式サイト（フォーブスジャパン）

「ペンタゴン最強の秘密兵器」と、共和党はテイラーさんを警戒しているといいます。

「もし、テイラーがバイデン支持を表明すれば、それは大きな裏切り行為だ。アーティストの著作権益の擁護を強化するための2018年音楽近代化法に署名したのは自分であり、テイラーに巨万の富を得させることにバイデンは何も協力していない。テイラーが自分への恩に背くことは考えられない」と、トランプ前大統領はいって、テイラーさんに牽制しているといいます。

一方で、「口先だけの最低な公約に立ち向かうために、自分の影響力を利用するのが私の責任だと気づいた。どんどん行動していくつもり」と、テイラーさんは語っているそうです。