「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

「安いニッポン」改革しない議員たち、働けない官僚たち

 VUCAの時代といわれて久しいです。変動的で、不確実で、複雑で、曖昧な世界といわれます。今日の国際社会を見れば、そうなのかなと確信します。グローバルサウスの国々が台頭し、米国はいまだナンバーワンに固執し保護色を強め、米国を追いかける中国やウクライナ侵攻を続けるロシアと対立します。

 そんな時代にあって、これまでの古臭い概念で押し通そうとすることに無理があって、何かしらのアップデートが求められるのでしょうが、それがうまくできていないのが日本という国なのかなと思います。その上、国としての経済力や技術力も低下し、安いニッポンです。これでは国際的に、効果的に影響力を発揮できないのはあたり前ではないでしょうか。

 

 

 権威主義国家 vs G7のような対立構造を変えようとする意識が日本政府にあれば、状況が変わりそうな気がしますが、しかし、今の政府自民党ではちょっと厳しいのかもしれません。未だに日米同盟を基軸にした防衛力強化や改憲など政治的な目標にしているのですから。古ぼけたままだなと思います。これではそれ以外のことに対して注意散漫になり、VUCAの国際社会に上手に適合できなくなってるように思えてなりません。

首相外遊に同行した記者は見た グローバルサウス外交の難しさ | 毎日新聞

 GW期間中、首相が外遊し、グローバルサウスをG7陣営に引きつけようと努力したようです。首相自身は成果を主張しているのかもしれませんが、思い通りに成果は上がっていないのかもしれません。

 目を内に転じれば、長期政権にある自民党の腐敗がさらに進み、それが裏金事件となって露呈しました。政治改革、自民党改革が求められているのでしょうが、世間の期待は裏切られそうな気もします。問題の原因がこれほど明確であるのに変わることができないのはなぜなのでしょうか。

論語に学ぶ

鳳鳥(ほうちょう)至らず。河(か)図(と)を出ださず。吾已(や)んぬるかな。(「子罕第九」9)

 聖王が出現するときにあらわれる鳳鳥も、聖王を歓迎する黄河の中から竜馬も現れず、運び来る図も現れない。明君がいない。これでは自分の理想を天下に実現することができない。私はどうしようもないと、孔子が嘆きました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 今も孔子の時代と同じで、聖王、明君たる人物が世界のどこにもいないようです。これでは瑞祥も現れることもなく、世界が改まって良くなることは今はなさそうです。秀れたリーダーの登場が待たれるのでしょうが、それは何も政治の世界からでなくよいような気もします。

 

 

「国家の経済政策は政財界の思惑や利害に左右されてはならない」、かつての官僚たちは、議員たちにいさめ、諫言していたようです。それが国を率いるリーダーをうまく育成する一助になっていたりしたのでしょうか。しかし、いつしか官僚人事が官邸に握られ、官僚たちは委縮するようになりました。こういうところも改革できるといいのかもしれません。

当時の官僚にとって、『国家のことを考えているのは政治家ではなく官僚』という認識は疑いようのないものでした。(中略)省内組織が一色ではなく様々な議論を戦わせ、自由闊達に議論できるような文化がありました。それがあの当時、高度成長の時代を牽引したとも言えると思います。(出所:NEWSポストセブン)

 今も国の政策がすべてがダメだということではないのでしょう。中には良き政策もあって、それらが官僚たちによって作られているのでしょう。それらをうまく使って、産業界を一緒になって政治を変えようと圧力をかけていくことができればいいのかもしれません。もうそろそろ癒着とか忖度から卒業してもらいたいものです。

 

「参考文書」

米経済はナンバーワン、それが問題だ | WSJ PickUp | ダイヤモンド・オンライ

佐橋滋vs今井善衛『官僚たちの夏』のモデルになった通産省エース対決|NEWSポストセブン

国民に舌打ちされる自民党、次期衆院選はどうなる? 元事務局長「首相を代え、どれだけ議席減を抑えるかだ」:東京新聞 TOKYO Web