「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

首相の裏金議員処分、不満のマグマは爆発するのか

 裏金事件を巡って、疑惑議員の処分を首相と党執行部が最終調整を行っているようです。厳しい処分を求める世論と自民党内の意見は異なり、首相は板挟み状態にあるといいます。

塩谷、世耕氏に離党勧告へ 下村、西村氏に党員資格停止案 | 共同通信

 首相なりの判断なのでしょうが、みなが納得するようなものではなく、物議を醸すことになりそうです。二階元幹事長は兎も角、首相自身を処分対象としないのは違和感を覚えます。首相であることに誇りを持ち、その職務遂行に意欲があるのかもしれませんが、それがかえって悪作用して、ガバナンス不全を招くことになっていそうです。自分が生き残ることを考えるのではなく、まずは自ら身の処し方を示すことがなければ理解はないのかもしれません。

 

 

論語に学ぶ

勇を好むも貧を疾(にく)めば、乱る。人にして不仁なる、之を疾むこと已甚(はなは)だしきときは、乱る。(「泰伯第八」10)

 勇敢な行為を好むといのは立派なことだが、そういう人が、貧困に堪えられず、これに不満をもつようになると、必ず反乱を引き起こす。また、人間性に背くような不仁な人を、極端に批判、追及を厳格にし、排斥すると、相手は追い詰められ逃げ場がなくなり、騒乱となると、孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 自民党におけるこの騒動はどう収束していくことになるのでしょうか。安倍派議員を追い詰め、一挙に否定しようとすれば、反作用で反乱がおこりそうですし、首相の無自覚さを排撃すれば、自民党内ばかりでなく、あちこちで騒ぎがおきて騒乱となっていきそうです。

岐路

 首相が独断で派閥解散を決め、「一足飛びに『解消』とか言うから、党内がこんな収拾つかなくなっちゃうんですよ」とのぼやきもあるそうです。

たそがれの疑似政権交代 自民党が「普通の政党」になる日 - 日本経済新聞

 自民党はこれまで政権が危機に陥ると違う派閥の領袖が首相になり疑似政権交代すること批判をかわしてきたといいます。しかし、今ではその派閥が解散となり、それも機能しなくてなっているといいます。長く政権与党の座にあった自民党に岐路が訪れているといいます。

 

 

 首相の説明が明瞭なものであれば、霧も晴れていくのでしょうが、裏金事件だけでなく、他の重要案件においても同様です。「国民負担は生じない」、少子化対策における首相の説明も釈然としません。

少子化対策の財源確保で『国民負担は生じない』との説明は本当か?|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

政府は、国民の間にできるだけ負担感が生じないように財源確保の手段を選択し、さらに負担が生じない点を強調した説明をしている。しかしそうした曖昧な姿勢こそが、国民の間に不信感を高める結果ともなっているのではないか。(出所:野村総合研究所

 正確性と真摯さを欠く説明で押し通そうとするのはどうなのでしょうか。政治が機能不全に陥っているように思えてなりません。

 政治が変わらなければならないのでしょう。もうこれ以上の政治の停滞を許されないはずです。首相が執着を捨て、自ら身を引きべきなのでしょう。自身の意見を変えてみても恥じることではないはずです。勇気を正しく使って欲しいものです。

岸田首相は破れかぶれ ジェラルド・カーティスさん語る失われた政治:朝日新聞デジタル

最近よく耳にするのが『マグマ』という言葉です。国民の不満がたまっていて、いつどういう形で爆発するかわからない。いずれにせよ、このままでは収まらないでしょう。私は今こそ政治が変わりうる時だと思うのですが。(出所:朝日新聞

 さてどうなっていくのでしょうか。