孔子曰わく、君子に三畏(さんい)有り。天命を畏(おそ)れ、大人(たいじん)を畏れ、聖人の言を畏る。小人は天命を知らざれば、畏れず。大人に狎(な)れ、聖人の言を侮る。(「季氏第十六」8)
(解説)
孔子の教え。「君子 教養人が畏れ慎むものに三つある。天命を畏れ、聖人を畏れ、「聖人」のことばを畏れる。小人 知識人は天命を理解しないのでそれを畏れない。狎れ狎れ(なれなれ)しく聖人を自分と同程度と思っている。また、「聖人」のことばを軽んじ侮っている」。(論語 加地伸行)
加地は「大人」を聖人とし、「聖人」は完全な人格者とする。
「述而第七」25で、加地は、生まれたとき、人間は何も持っていないが、知識・学問を学んで「小人」知識人となることができ、同時に道徳的修養を積んで教養人となる。それが君子であるといい、その君子から、さらに知識・修養を深め、その究極に至ったものが「聖人」であるという。
「関連文書」
(参考文献)