「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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オリンピックと天の声【箕子の憂い、之が奴と為り.....】その対処は ~炉辺閑話#20

 

 東京オリンピック、活躍する選手を見ては喜び、大会運営のまずさを伝えるニュースを聞いては腹を立てたり、まさに悲喜こもごも。

 勝負の裏にあるストーリーを自分なりに想像したりして、実力通りに力を発揮できる人、そうでない人の違いを想像するのもまた楽しみでしょうか。番狂わせがあると、ついついその理由を想像してしまいます。男子200m個人メドレーで瀬戸選手が決勝進出を決めて安堵、頑張って欲しいものです。

 

 一方、再びコロナが拡大し、連日記録を更新するようになり、また暗い影を落としています。尾身会長が「政府・組織委員会はオリンピックをやると決定したわけですから、オリンピックの期間中に何とかして感染拡大、医療ひっ迫を防ぐためにすべきことは全て全力でやってもらうことが政府・組織委員会の当然の責任だと思う」と答弁されたとか。

 その組織委員会は弁当の廃棄問題があったり、名誉顧問の人事の問題があったり、それに加え開会式の舞台裏のリーク記事があったりと色々問題が露呈しているようです。

 優れた組織は数えるほどしか存在しないのですから、あまり腹を立ててもしかたがないのかもしれません。

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 天の声があるとかないとか。組織に属すれば、上司に従うのが出世の早道であって、下手に諫言などすれば、疎んじられるのが関の山なのかもしれません。そんな社会に違和感を覚えつつも、悲しいかな、それが現実なのでしょう。

 大袈裟かもしれませんが、古代から脈々と引き継がれる歴史なのでしょう。どの時代にも聖人など存在せず、あるのは道徳だけだったのかもしれません。

 

微子之を去り、箕子 之が奴と為り、比干 諌めて死す

 古代中国の殷王朝には3人の人格者がいたといいますが、時の暴政を正すことができずに国を去ったとの逸話があります。 

 たとえば「箕子」、殷王「紂」を諫めたが捕えられ、狂人と偽って奴隷となった。武王が殷を倒し、箕子を招聘して、その該博さに驚嘆したといいます。

象牙の箸を使うなら陶器の器では満足できず、玉の器を作る事になるだろう。玉の器に盛る料理が粗末では満足できず、山海の珍味を乗せる事になるだろう。このように贅沢が止められなくなってしまうに違いない」と危惧し、紂王に贅沢をやめるように諫言したという。これが後に「箕子の憂い」、小さな事柄から大きな流れを察知することという言葉がなった。

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 その暴政を振るう紂王を倒したの周の武王。民意に押されての決起だったのでしょうか。それでも、その暴政を倒すには時間がかかっています。民意に押された優れたリーダーでも、時の権力と戦うにはそれなりの胆力が求められるのかもしれません。

 論語に登場した3人の人格者は、この武王によって発掘され、それぞれ名を残すことになります。考えさせられる話です。

天の声とは

 「君子に三畏(さんい)有り。天命を畏(おそ)れ、大人(たいじん)を畏れ、聖人の言を畏る。小人は天命を知らざれば、畏れず。大人に狎(な)れ、聖人の言を侮る」(「季氏第十六」8)との言葉があります。

 君子は、天命を畏れ、聖人を畏れ、「聖人」のことばを畏れるが、小人 知識人は天命を理解しないのでそれを畏れない、狎れ狎れ(なれなれ)しく聖人を自分と同程度と思っている。また、「聖人」のことばを軽んじ侮っているとの意味です。 

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 天の声とは一体何なのでしょうか。天命とは異なることなのでしょうか。

 国のリーダーのSNSメダルラッシュに沸くオリンピックの金メダル「速報」で埋め尽くされているといいます。

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 天の声を聞き間違えているのでしょうか。それとも.....

 

「関連文書」

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 「参考文献」