「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

オーバーシュートとコロナの出口戦略【其の身正しからざれば、令すと雖も、従われず】 ~炉辺閑話 #21

 

 オーバーシュート(感染爆発)、どこかで聞いたことのある言葉です。

「これがいつかおこると恐れていたオーバーシュートです」と、厚労省の専門家会議メンバーの和田耕治教授が述べたといいます。

「命を守る行動をしてください」

 感染が収束に向かうことを願うばかりです。

 

 

 東京の陽性者数が4000人を超えたいいます。やはりそうなったか.....

 東京で陽性者数が多いのは当たり前(?)、それを今さら強調されても驚かず、全国で連日10,000人超が続き、今まで少なかった地域での数が急激に増加していると聞くと、感染爆発かと感じ、危機感を覚えます。

 東京では要請に応じずに営業を続ける飲食店が数千に及ぶといいます。もう信用の崩壊なのでしょうか。 

其の身正しければ、令(れい)せずとも行なわる。其の身正しからざれば、令すと雖(いえど)も、従われず」(「子路第十三」6)と論語にあります。 

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 上に立つ者は、己のあり方が正しければ、命令しなくとも、人々は方針に従う。そのあり方が正しくなければ、命令したとて方針に従わないとの意味です

 繰り返される宣言、その都度説明するリーダーの言葉。しかし、明るい兆しがまったく見えません。孔子の言葉を信じたくはありませんが、まだまだ厳しい状況が収まりそうにありません。

 

 

古 自り皆死有り。民 信ずる無くんば立たず」(「顔淵第十二」7)といいます。 

  弟子の子貢が「為政者の心構え」を孔子に質問すると、「民の生活の安定、十分な軍備、そして政権への信頼である」と孔子は答えます。そして、この三つの中で、「信頼」が最も大切であると説きます。

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 軍備より生活。しかし、古来、人間はいつか必ず死ぬものだ。もし為政者への信頼がなくなれば、国家も人も立ち行かなくなってしまうというのです。

 支持率回復ばかりを考えるのではなく、信頼をどう回復していくか、それを真剣に考えてもらいたいものです。

己を脩めて以て百姓を安んず」(「憲問第十四」42)といいます。

「百姓」とは、世のすべての人々との意で、「自分の修養に努め、世の人々すべてを安心、満足させる」との意味ですが、「尭 舜も其れ猶 諸を病めり」といい、「尭や舜のような完全な人格者であってもなかなか難しいことだ」と孔子はいいます。

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 先の記者会見で、コロナからの出口戦略に言及があったようです。依然ワクチン頼りのようで、法的な強い拘束力をもった措置の導入には否定的なようにも聞こえました。

 己への信頼が薄い中で、良心に訴えかける策だけでは厳しそうです。今しばらく、コロナと付き合っていく日々が続くということなのでしょうか。

 

「参考文献」