孔子曰わく、君子に三戒(さんかい)有り。少(わか)き時は、血気未だ定まらず。之を戒(いまし)むるは色に在(あ)り。其の壮なるに及びては、血気方(まさ)に剛(つよ)し。之を戒むるは闘(たたか)いに在り。其の老ゆるに及びては、血気既に衰う。之を戒むるは得に在り。(「季氏第十六」7)
(解説)
孔子の教え。「君子 教養人とて三つの戒めがある。青年期は身体の欲求が不安定で動物的である。その性欲を戒めよ。壮年期は身体の欲求が盛んであるので他者の負けまいとする。その競争欲を戒めよ。老年期は身体の欲求が衰え失うことを恐れる。その物欲を戒めよ」。(論語 加地伸行)
時代背景はあってのことかもしれないが、渋沢栄一は道徳を口にするわりには女性関係にだらしなかったという。
「婦人関係以外は、一生を顧みて俯仰天地に愧じず」と言ったとか。
人間の性、こればかりは本能にも通じなかなかコントロールし難いのかもしれないが、これを戒めとして、その力を何か別なことに転嫁できれば君子にも近づくのだろう。
(参考文献)