「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦以て畔かざる可きか】 Vol.296

 

子曰わく、博(ひろ)く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦(また)以て畔(そむ)かざる可きか。(「顔淵第十二」15)

 

  (解説)

孔子の教え。まず広く知識を学習し、次いでそれらを帰納してゆくときに礼に基づくならば、誤ることはない。論語 加地伸行

 

 「礼」とは、道徳の表現であると加地はいう。

 

 「雍也第六」27 に同じ文章があり、それを「君子」とした。

 

dsupplying.hatenadiary.jp

 

  顔淵は、同じ文章を用いて、孔子のことを「夫子(ふうし)循循然(じゅんじゅんぜん)として、善く人を誘う。我を博(ひろ)むるに文を以てし、我を約するに礼を以てす」と言い表した(「子罕第九」11)。

 

dsupplying.hatenadiary.jp

  

子貢は、「顔淵第十二」8 で、棘子成の君子論を批判し、「文は猶 質のごとく、質は猶 文のごとし」という。

 

dsupplying.hatenadiary.jp

 

有若は、「礼の用は、和を以て貴しと為す」といい、「礼」における「和」を説いた。

 

dsupplying.hatenadiary.jp

 

  この文章は後に、聖徳太子の十七条憲法の第一条に「和を以て貴しと為し、忤(さか)ふること無きを宗とせよ」に採用されることになる。

 

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫