「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず】 Vol.327

 

子曰わく、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。(「子路第十三」23)

 

  (解説)

孔子の教え。教養人は、和合するが雷同しない。知識人は雷同するが和合しない。論語 加地伸行

  

社会は多様な人間が存在して成立する。その中に、君子や小人も含まれるのかもしれない。加地は、小人を知識人と解する。

 

 

「雷同」、考えもなく他の説に同調すること

 国連で採択された「持続な可能な開発目標」SDGsが社会に浸透してきたのだろうか。小さな流れも、いくつも集まれば、大きな流れになっていく。大きな流れができれば、多くの人がそれにたなびき、さらに大きな潮流になっていく。

 

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 君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩る

と、「里仁第四」16では、そういう。

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SDGsの先駆者たちは、その理念を理解し、達成を目指していくのかもしれない。目ざとい人たちは、その大きな流れに利を求めるのかもしれない。

 

 吾が道は一以て之を貫く

と、孔子はいい、それを曾子は「孔子の人生は、まごころ(忠)と思いやり(恕)と、それ尽きる」といった。(「里仁第四」15)

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「忠恕」、SDGsの原則、「誰一人取り残さない」に近いのかもしれない。

 

礼の用は、和を以て貴しと為す

「学而第一」12で出てくる有子の言葉。

そして、先王の道は斯(これ)を美と為す。小大之に由れば、行われざる所有り。和を知りて和すれども、礼を以て之を節せざれば、亦(また)行なう可(べ)からず、と続く。

 和を以て貴しと為すと遠い過去からそう言われるように、「和」は、「善」とみなされてきた。しかし、それが行き過ぎると「馴れ合い」や「なあなあ」になり、マナーやモラルの乱れにつながったいく。 

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  近ごろのSDGs活動を見ていると、そんなことを感じる。SDGsは本来、モラルのような規範(礼)になるようなものではないのではなかろうか。

  

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫