「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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【君子は博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦以て畔かざる可きか】 Vol.148

 

子曰わく、君子は博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦(また)以て畔(そむ)かざる可きか。(「雍也第六」27)

  

(解説)

孔子の教え。教養人は、まず広く知識を学習し、次いでそれらを帰納してゆくときに礼に基づくならば、誤ることはない。」論語 加地伸行

    

 「礼」とは道徳の表現であると加地は指摘する。

 

 「礼」というと、われわれは狭義の意味の日常の挨拶をまず思い浮かべるが、このとき、相手を思いやる心がなければ、それは単なる所作であって、「礼」とは言えない。また、その「礼」がわざとらしくなると「慇懃無礼」というように失礼になる。

 こう表したのは、岬龍一郎である(引用:日本人の品格) 

  岬の著作「日本人の品格」で、新渡戸稲造の「武士道」に記される「礼」を紹介する。

礼とは、他人に対する思いやりを目に見える形で表現することである。それは物事の道理を当然のこととして、尊重することである。したがって礼は、その最高の姿としてほとんど愛に近づく、私たちは敬虔なる気持ちをもって、「礼は寛容にして慈悲があり、礼は人を羨まず、自慢せず、思い上がらない。自分自身の利益を求めず、怒ることなく、人を疑わない」といえるだろう。 (引用:「日本人の品格」岬龍一郎)

 

 そう礼を考えれば、なるほど、孔子がいうことがよく理解できる。

 

 

 

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  
日本人の品格 新渡戸稲造の「武士道」に学ぶ (PHP文庫)

日本人の品格 新渡戸稲造の「武士道」に学ぶ (PHP文庫)

  • 作者:岬 龍一郎
  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
 
現代語訳 武士道 (ちくま新書)

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