「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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【君子は上達し、小人は下達す】 Vol.357

 

子曰わく、君子は上達(じょうたつ)し、小人は下達(かたつ)す。(「憲問第十四」23)

 

  (解説)

孔子の教え。「教養人は根本や全体がわかる。知識人は末端かや部分について知っている」。論語 加地伸行

 

「上」には本(もと)、あるいは道徳という意味がある

「下」には末(すえ)、または財産や利益のことをいう。

 

 孔子は子夏に、「女(なんじ)君子儒と為れ、小人儒と為る無かれ」(「雍也第六」13)と言った。

「君子の儒」とは天下の事に責任をもち、民が安んずる志を持つもの。

「小人の儒」とは自分一身を善くするにとどまって、社会的影響を持ちえぬ者のこと。

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「君子は坦(たん)たらんとして蕩蕩。小人は長たらんとして戚戚(せきせき)たり」(「述而第七」36)

との言葉もある。 

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「君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩る」(「里仁第四」16)との言葉もあった。

 

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「君子の徳は風なり、小人の徳は草なり」。

「草 之に風を上(くわ)うれば、必らず偃(ふ)す」(「顔淵第十二」19)

 

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 有若の言葉だが、「君子は本を務む。本立ちて道生ず。孝弟は其れ仁の本為るか」 (「学而第一」2)とある。

 

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「君子は上達し、小人は下達す」

「下意上達」、「上意下達」という言葉にも通じるのであろうか。 

 

 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫