「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【邦人 之を称して君夫人と曰い、諸を異邦に称して、寡小君と曰う】 Vol.434

 

邦君(ほうくん)の妻、君 之を称して、夫人(ふじん)と曰う。夫人 自ら称して、小童(しょうどう)と曰う。邦人 之を称して君夫人(くんふじん)と曰い、諸(これ)を異邦に称して、寡小君(かしょうくん)と曰う。異邦人 之を称して、亦(また)君夫人と曰う。(「季氏第十六」14)

 

(解説)

「国君の妻に対して、国君は夫人と呼ぶ。夫人は自分のことを小童と言う。その国の人たちは、君夫人と呼び、外国人に対して言うときは、寡小君と呼んだ。外国の人もまた、君夫人と称した」。論語 加地伸行

 

「童」、「寡」とも謙遜を表す言葉と加地は解説する。

「童」、謙遜して幼稚という意味、「寡」、自分の徳性が寡(すく)ないという謙遜の言葉。

 

「邦人 之を称して君夫人と曰い、諸を異邦に称して、寡小君と曰う」

 「敬意」と「謙遜」

 国にあっては敬意を示し、外国に対しては謙遜する。

 もしかしたら、「外交辞令」はこういうことから生まれたのだろうか。

 

 

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

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  • 作者:加地 伸行
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 文庫
 
論語 (ちくま文庫)

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  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫