孔子曰わく、益する者の三友あり。損(そこ)なう者の三友あり。直なるを友とし、諒(りょう)なるを友とし、多聞(たぶん)なるを友とするは、益するなり。便辟(べんへき)なるを友とし、善柔(ぜんじゅう)なるを友とし、便佞(べんねい)なるを友とするは損なり。(「季氏第十六」4)
(解説)
孔子の教え。「自分にとって有益な三種の友がある。逆に、有害となる三種の友がある。まっすぐな友、義理固い友、博識の友、これは有益である。しかし、追従する友、裏表のある友、口先の巧みな友、これは有害である」。(論語 加地伸行)
「忠信を主とし、己に如かざる者を友とする無かれ。過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」(「学而第一」8)と孔子はいう。
「忠」とはまごころ、「信」は約束を違えぬこと。
「忠信」とはそうしたよい性質をもつ人間を指す。
「まごころがあって嘘をつかない人と馴れ親しんで、自分より劣る者を友人とするな。過ちをおかしたならば、素直に改心して改めるべきである。こだわってはならない」と 桑原は解した。
孔子は、友の選択の必要を説いているのだろう。まずは小さい範囲で忠信を尽し、さらにおのれの能力に応じて行動半径を広げてゆくことを求めていると桑原はいう。
「関連文書」
(参考文献)