師冕(しべん) 見(まみ)ゆ。階に及ぶや、子曰わく、階なり、と。席に及ぶや、子曰わく、席なり、と。皆坐(ざ)す。子 之に告げて曰わく、某は斯(ここ)に在(あ)り、某は斯に在り、と。師冕出づ。子張問うて曰わく、師と言うの道か、と。子曰わく、然(しか)り。固(もと)より師を相(たす)くるの道なり、と。(「衛霊公第十五」42)
(解説)
音楽師の冕が孔子に面会に来たことがあった。盲人の冕が階段のところに近づいたとき、孔子は「そこは階段ですぞ」といった。座席に近づくと、「そこが席ですぞ」といった。一同が着席すると、孔子は冕に対して「だれそれがここ、だれそれがあそこ」と紹介された。冕が退出したあと、子張が質問した。「それは楽師を遇する方法ですか」と、孔子は答えた。「そうだ。これが師を遇する当然の道である」と。(論語 加地伸行)
「関連文書」
(参考文献)