子曰わく、郷原(きょうげん)は徳の賊なり。(「陽貨第十七」11)
(解説)
孔子の教え。「八方美人の者の言動は、道徳にとって害になる」。(論語 加地伸行)
「郷原」は、 善良を装って、郷里の好評を得ようとする小人。 にせの道徳家。 偽君子。「原」は、へつらって寛大なことの意味。(参考:コトバンク)。
補欠選挙など国政選挙が3つほどあったが、自民全敗だったという。「郷原」ばかりということだろうか。
山口県宇部市という地方都市の小さな紳士服店から始まった企業が、今ではその産業で世界一と言われるようまで成長した。
「商店街の小さな紳士服店がここまで来ることができた理由はただ一つ。「正しい」と思ったことを勇気を持ってやり抜く。状況が厳しくてもめげない、諦めない。そういった精神があったこと。これが一番の要因です」と会見で、過去を振り返り話したのは、ファーストリテイリング社長柳井正社長。
「とくに恵まれた経営資源を持っていたわけでもありません」という。
郷里宇部の顧客を大切にしていたこともあるのだろうけれど、その目は全国、世界に向けていたのだろうか。そして、宇部の人たちと変わらぬように接していったのだろうか。
4月8日の会見で柳井正社長が話された内容をテキストで読むと、一企業のことにとどまらず、産業、そして、国を思っての発言のように感じた。もしかしたら、柳井氏も「郷原」が多いことを嘆いているのかもしれない。
(参考文献)