「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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【能く五者を天下に行なうを仁と為す】 Vol.439

 

子張(しちょう) 仁を孔子に問う。孔子曰わく、能(よ)く五者を天下に行なうを、仁と為す、と。之を請い問う。曰わく、恭、寛、信、敏、恵なり。恭なれば則(すなわ)ち侮られず。寛なれば則ち衆を得。信なれば則ち人 任ず。敏なれば則ち功 有り、恵なれば則ち以て人を使うに足る、と。(「陽貨第十七」5)

 

(解説)

「子張が仁とは何でしょうかと孔子に質問した。孔子はこう答えた。「五つのことを世に行うことができれば、それが仁である」と。この五者をどうか教えてくださいとたずねた。孔子はこう答えた。「それは恭、寛、信、敏、恵である。恭、己を慎み驕らなければ、人に侮られることはない。寛、度量が広ければ、人の心を得られる。信、言行一致であるならば、人は信任する。敏、すぐに実行するならば、功績があがる。恵、財物を惜しまず分け与えるならば、人を十分に使うことができる」と論語 加地伸行

 

 

  

「子張」、姓は顓孫、名は師、字名が子張。陳の人で、孔子晩年の弟子。もっと若く秀才といわれる。「礼」の専門家。「史記」に、「師や僻なり」とあるように、時として正統を離れる異説を好んだようであるという。

 

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 人となり才が高く、意が広く、人の感情などに拘らないところがあったという。子路、子貢に次いで登場回数が多く、それだけ影響力もあったのだろうか。

 

 

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 なぜ、前章のあとに、秀才で「礼」の専門家である子張が「仁」について質問したのだろうか。大義であったり、戦かい終わった後の心得ということなのであろうか。

 

 子游は「子張第十九」15で、子張を「及び難い優れた人材だとは思うが、仁には至っていない」という。

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「関連文書」

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  • 作者:加地 伸行
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 文庫
 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫