臓器移植を無許可であっせんしたとして、NPO法人の理事が逮捕されたといいます。高額の移植費用を要求し、多額の利益をあげていた疑いがあるそうです。
たいへんショッキングな事件です。NPO法人においての不正行為に愕然とします。
「人生の選択として渡航を」海外での臓器移植を無許可あっせん疑い、NPO理事逮捕 背景にドナー不足：東京新聞 TOKYO Web
こうした背景には、国内での深刻な臓器提供者不足があるそうです。他国に比べ、日本は大きく後れを取っていると記事は指摘します。
また投資コンサルティングによる詐欺事件
高配当をうたって出資金２００億円を集めていた投資コンサルティング会社の社長らが詐欺容疑で逮捕されたといいます。
投資詐欺でコンサル会社の社長らを逮捕、２００億円集めたか : 読売新聞オンライン
記事によれば、容疑者たちは出資金を運用せず、他の顧客への配当や、無人島やクルーズ船の購入費などに流用していたとみられるそうです。
根絶できない不正
誠実に、そして正直に仕事に取り組む人の方がはるかに多いはずなのに、一部の不正直な者たちによって引き起こされるこうした事件で、社会の空気感が悪化していきます。いかがわしいことに巻き込まれないよう善良な人たちが防御姿勢を強めなければならなくなっています。
こうした不正を根絶するにはどうすればいいのでしょうか。
取り締まらなければなりませんが、取り締まりを強化してもいたちごっこに陥るのが関の山なのかもしれません。
国会議員
国会欠席を続ける参議院議員が懲罰委に付され、処分の審査を始まったといいます。欠席を理由に懲罰委員会が開かれるのは初めてのことだそうです。
Ｎ党・立花党首 ガーシー議員の懲罰委「恐ろしい。事情聞かず懲罰」 れいわ山本太郎代表の見解知りたい/芸能/デイリースポーツ online
「ガーシー議員は今の国会でも議院運営委員会理事会の了解を得ないまま海外に滞在し、正当な理由なく召集に応じず、出席を求める書面である『招状』を発したのに、おとといの本会議に出席しなかった」と、 尾辻参院議長が懲罰委への付託の理由を説明したといいます。
国会議員は、主権者である国民の代表者で、選挙によって選ばれます。問題となっている議員もまた国民に選ばれています。
国が乱れていることの現れのひとつなのでしょう。
論語に学ぶ
子張 禄を千（もと）めんことを学ばんとす。子曰わく、多く聞きて疑わしきを闕（か）き、慎んで其の余を言えば、則ち尤寡（とがすく）なし。多く見て殆（あや）うきを闕（か）き、慎んで其の余を行なえば、則ち悔い寡なし。言尤寡なく、行ない悔い寡なければ、禄其の中に在（あ）り、と。（「為政第二」18）
弟子の子張が、就職の方法について教えていただきたいと願い出ました。孔子は「多く学習し疑問点を解き、その他の確かであることについても慎重に発言すれば、まず過ちは少ない。多くを経験して不安な点を除き、その他の確かであることについても慎重に行動すれば、まず過ちが少ない。発言に過ちが少なく、行動に過ちが少なければ、世はその人を信頼し招聘するので、就職は自然と定まる」と諭しました。
「子張」、弟子の中でもっと若く、秀才と言われた人物です。礼の専門家とも言われますが、時として正統から離れた異説を好んだとも言われます。
現代もまた子張のような異説を好むような人が増えているのかもしれません。異説は目立ちはしますが、時に害悪になるケースもあるのでしょう。
それを例えば内心の自由といって権利主張するのはどうなのでしょうか。まして法やルールに触れなければ処断されることはないとして振舞われたら手の施しようもありません。
これが今の日本が抱える問題ではないでしょうか。
「参考文書」
ガーシー参院議員の処分 懲罰委が審査開始 今月中に結論へ | NHK
