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気球撃墜、緊張下の一般教書演説、米大統領は何を語ったのか

 

 バイデン米大統領が再選を目指して近く立候補を表明するのではないかと言われています。現在、80歳。もし仮に再選となると、次の任期を終えるときには86歳になるそうです。2期目の大統領任期を務め切れるのかという問題もあるそうです。

 そんな中、バイデン大統領の一般教書演説に注目が集まったといいます。

 中国の気球を米国が撃墜し、米中の緊張が高まっているのではないかともいわれます。米大統領は何を語ったのでしょうか。

 

 

バイデン大統領の一般教書演説

 アメリア国内でも大きな関心事となっている気球撃墜については、7200語に及んだ演説の中で1行分だけ触れただけと、英BBCはいいます。

バイデン氏、一般教書演説 経済対策への超党派の支援を訴える - BBCニュース

  記事によれば、超党派の取り組みの重要性を強調し、「共和党の友よ、私たちが前の議会で協力できたのなら、今の議会で協力できない理由はない」と融和を呼びかけ、「私たちがここに送られらのは、仕事をやり切るためだ!」と付け加えたそうです。

アメリカでは2年前、ドナルド・トランプ前大統領の支持者らが連邦議会議事堂を襲撃した。バイデン氏はそのことを踏まえ、アメリカの民主主義は「屈しても、壊れてもいない」と訴えた。(出所:BBC

 また、72分間にわたる演説では、国内問題に焦点が当てられ、多くの時間が費やされ、外交政策に関する内容が少なかったといいます。昨年の一般教書演説ではウクライナ侵攻が主要トピックとなったが、今年は演説の終盤で言及しただけだったといいます。

 一方、国内問題については、米経済の回復力と強さを称賛し、1月の失業率が半世紀ぶりの低水準に下がり、過去40年で最悪のインフレも圧力が弱まる兆しが見えているとし、ただ、各家庭には「一息つく余裕」がもっと必要だと述べたそうです。

 また、先日警官5人による殴打事件について言及し、「どうにかしろ」とバイデン大統領は語気を強め、長らく停滞していた警察改革法案を可決するよう議員らに迫ったといいます。この件で、バイデン氏が「ほとんどの警官は善良で、まともな人たちだ」と述べると、珍しく両党の議員から総立ちの拍手を浴びたともいいます。

 懸案の中国については、協力して対処していくとした上で、「先週明確にしたとおり、もし中国が私たちの主権を脅かすなら、私たちは国を守るために行動する」と述べたそうです。

 

 

米国の面子、利己主義

 同じ内容を伝えるNHKの記事もおおむね同じ内容のようですが、中国について、一歩踏み込んで報道しています。

バイデン大統領 一般教書演説 実績強調と中国めぐり結束訴える | NHK | バイデン大統領

バイデン大統領は「同盟国は防衛費を増額し、より多くの役割を果たそうとしている。アメリカが太平洋と大西洋のパートナーの間に築いた懸け橋を見れば、アメリカに敵対することに賭けることがいかに間違っているか分かるだろう」と述べ、ロシアや中国などに対抗していくうえで同盟国や友好国との連携が強化されていると強調しました。(出所:NHK

 この内容をどう受け止めるべきなのでしょうか。

 口を悪く言えば、面子を守るため、同盟諸国に防衛費の増額を要求したんだといっているように聞こえます。米国らしいともいえるのかもしれません。

 

 

 いずれにせよ、バイデン大統領は、共和党の政治的対立を望まず、民主主義を守り、国民の生活のことを考えているようにも思えます。

論語に学ぶ

食を足らし、兵を足らし、民 之を信ず。(「顔淵第十二」7)

 孔子の政治に対する心構えのひとつです。読んでの通り「民の生活の安定、十分な軍備、そして政権への信頼である」と意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 この言葉は、さらに弟子の子貢との問答で、その優先順位が説かれていきます。

 政治への信頼がなければ、国家も人も立ち行かなくなるといい、軍備より国民生活を優先すべきとします。

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 バイデン大統領は優先順位を違えていないような気がします。それに対し、日本の政治はどうなのでしょうか。真逆になっているように感じます。

 このままでは国民生活が苦しいままで改善されることはないのかもしれません。

 

「参考文書」

対中強硬、にじむ議会配慮 民主主義の優位誇示―米大統領・一般教書演説:時事ドットコム

米、ハイテク供給網再編を加速 「中国気球」警戒高まる―一般教書演説:時事ドットコム