「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

就職しようとする君へ【言尤寡なく、行ない悔い寡なければ、禄其の中に在り】 Vol.38

  

  今、就職しようとする君に、ぜひ読んで欲しい言葉がある。

 

子張 禄を千(もと)めんことを学ばんとす。

子曰わく、多く聞きて疑わしきを闕(か)き、慎んで其の余を言えば、則ち尤寡(とがすく)なし。多く見て殆(あや)うきを闕(か)き、慎んで其の余を行なえば、則ち悔い寡なし。言尤寡なく、行ない悔い寡なければ、禄其の中に在(あ)り、と。(「為政第二」18)

  

(意味)

「門人の子張が、就職の方法について教えていただきたいと願い出たことがあった。

孔子はこう諭された。「多く学習し疑問点を解き、その他の確かであることについても慎重に発言すれば、まず過ちは少ない。多くを経験して不安な点を除き、その他の確かであることについても慎重に行動すれば、まず過ちが少ない。発言に過ちが少なく、行動に過ちが少なければ、世はその人を信頼し招聘するので、就職は自然と定まる。」論語 加地伸行

 

 

 

 この言葉を、今就職しようとする君に贈る。

多く学習し疑問点を解き、その他の確かであることについても慎重に発言すれば、まず過ちは少ない。

多くを経験して不安な点を除き、その他の確かであることについても慎重に行動すれば、まず過ちが少ない。

発言に過ちが少なく、行動に過ちが少なければ、世はその人を信頼し招聘するので、就職は自然と定まる

 

 そして、何かに躓くことがあるのなら、また、論語を読んで欲しい。

 きっと、答えがみつかるから。

  

 

「子張」、姓は顓孫、名は師、字名が子張。孔子晩年の弟子。もっと若く秀才といわれる「礼」の専門家。

 子夏と議論したとき、子夏の激しい調子を批判し、孔子のゆったりと相手の意見を聞く態度を学んでいないといい、さらに、小人の議論は、自分の意見だけが正しいと言い張り、目を怒らせ、腕をむき出しにし、早口で口から涎(よだれ)がたれ、目が赤くなり、勝を得ると喜びまわる等々と言ったという。

 

 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 

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