「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ソクラテスの「無知の知」【知らざるは知らずと為す、是れ知るなり】 Vol.37

  

 子曰わく、由よ、女に之を知るを誨(おし)えんか。之を知るは知ると為し、知らざるは知らずと為す、是れ知るなり。(「為政第二」17)

 

(意味)

「由君よ、君に知るとは何か、教えよう。知っているとは知っているとし、知らないことは正直に知らないとする。それが真に知るということなのだ。」論語 加地伸行

  

「由」、姓は仲、名は由、字名が子路孔子の弟子で、孔子より9歳年少。孔門では年かさの弟子。もとは遊侠の徒で、孔子にからみに来て論破され、心服して門に入ったという。率直勇敢な情熱家で、孔子に愛された。彼が死んだとき、孔子は「天われを祝(た)てり」と嘆いたという伝説があるという。「祝」は「断」と同じ。

 

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 あの有名なソクラテスの「無知の知」とおおむね同じ意味であろうか。 

「自らの無知を自覚することが真の認識に至る道であるとする、ソクラテスの真理探究への基本になる考え方。」(出所:コトバンク

 

 桑原は、この章を文字通り素直に読んでおくべきであり、人生におけるもっとも立派な教えのひとつであるという。

知っていることと、知っていないこととの区別を明確にすることが、個人としては、行動を明確にするし、また、学問、技術などの進歩のもとになる。また、人類全体としてみれば、その区別を明確にすることによって、未知の領域の開発が可能になる。地理上の探検はすでにおおよそ終わったにしても、人間の世界では、未知の領域のほうがまだ既知のそれより広大なのだ。 (引用:「論語桑原武夫 P56)

論語 (ちくま文庫)

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  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫
 

   

ソクラテス孔子の存在を知っていたのだろうか。

 

 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

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