ChatGPTの登場でAIに火がつき、まさに世の中はAIブームが到来したようです。AIゴールドラッシュなんて表現されるようになっています。
そんな中、欧米の銀行が貪欲にAIを活用し始めているようです。様々なリスクの指摘もありますが、それらを考慮した上での対応なのでしょうか。
JPモルガンに後れを取るな-世界の銀行がAI活用競い合う - Bloomberg
進化しつつある技術と想定される事業への影響に対する関心が広がる中、金融業界ではAI革命が猛烈なスピードで進んでいると記事は指摘しています。
期待されるのは、日々の作業がより効率的かつ効果的に行え、複雑な分析やリスクモデリングが容易かつ迅速になることだ。複雑さを増す投資の決定が大量のデータに依存する銀行業では、これが特にありがたい。最終的にAIに何ができるかは不確実で、規制の方法を巡る懸念もあるものの、期待は高い。(出所:ブルームバーグ)
「われわれは今ブームにはまっている。業界はすごい速さで動いている。一部の銀行は本当にこれをやるためには何が必要かに気付き始めているが、多くはまだ理解しようとしている段階だ」と、識者が語っているといいます。
欧米企業の新しいテクノロジーを如何に手段としてどう使っていくかを考え、それを実行していく早さは驚愕です。
早くも生成AIのリスク評価サービスも始まる
新しいテクノロジーが生まれ、そのリスクの指摘があれば、早くもそれに対応するサービスも登場しているようです。
米国防省も依頼するAI検査サービス、「生成AI」のリスクを診断 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
企業がAIを開発する際に数百種類のテストを行う「検査サービス」が始まっているそうです。記事によれば、精度劣化の可能性はないのか、人種や性別による差別的な結果を招かないかなどを検証できるといいます。
また、その企業では「生成AI」のリスク評価サービスも始めたそうです。
生成AIの実装を目指す企業に向け、ネックとなる「リスク対策」を一手に引き受ける。有害情報の出力を防止し、セキュリティ上の脆弱性の検知や修復を行う。さらに 、AIモデルが国内外の規制やガイドラインに準拠していることを第三者の目線から確認することも可能だ。(出所:Forbes)
こんな報道に触れると、もうDX:デジタルによる変革なんて言っていられないような気もします。
美大を公表した生成AI利用のガイドライン
「気軽に相談できる物知りの友人ぐらいの気持ちで接して――」。ChatGPTなど生成AIについて、武蔵野美術大の学長が公表したメッセージが話題になっているそうです。
生成系人工知能(生成AI)についての学長からのメッセージ | 武蔵野美術大学
メッセージは、生成AIの現状と課題について6点にまとめて、大学としての見解して公表されています。
生成AIは、気軽に相談できる物知りの友人ぐらいの気持ちで接して、あくまでも学びとは、なにかを自分で考えながら、調べて、考えて、自身の手と頭を使って試作や実験をして、自分の作品やレポートを作るという意識を持って制作・研究活動に励んでください。(出所:武蔵野美術大学)
こうした言葉に触れると、欧米企業が新しいテクノロジーを取り入れるための「学び」にも貪欲であるとの仮説も成り立ちそうです。
論語に学ぶ
子張 禄を千(もと)めんことを学ばんとす。子曰わく、多く聞きて疑わしきを闕(か)き、慎んで其の余を言えば、則ち尤寡(とがすく)なし。多く見て殆(あや)うきを闕(か)き、慎んで其の余を行なえば、則ち悔い寡なし。言尤寡なく、行ない悔い寡なければ、禄其の中に在(あ)り、と。(「為政第二」18)
弟子の子張が、仕官して棒給を得ることを学ぼうとしました。孔子は「多く学習し疑問点を解き、その他の確かであることについても慎重に発言すれば、まず過ちは少ない。多くを経験して不安な点を除き、その他の確かであることについても慎重に行動すれば、まず過ちが少ない。発言に過ちが少なく、行動に過ちが少なければ、世はその人を信頼し招聘するので、職は自然と定まる」と教えたといいます。
新しいテクノロジーにも、こうした態度で接すれば、その活用策が開け、それによって自分の収入額が決まるようになっていくのかもしれません。
「参考文書」
学びと教養の本質とは? 「ムサビ」学長が語る生成AI | 毎日新聞