「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

時間の浪費、金食い虫の「アベノマスク」

 

 一度問題になると、いつまでもずるずると引きずるものなのでしょうか。

 いわゆるアベノマスク騒動が一向に収まる気配がありません。

アベノマスク配送料10億円? 廃棄なら6千万円…政府試算|【西日本新聞me】

 ただ捨ててしまうよりは、有効活用しようとするの方が人情というものかもしれません。ただ、それによってより多くの費用がかかるというのであれば、そうはできないはずです。

 

 

 しかし、募集を始め、2週間で8万5000件の申し込みがあったそうです。

 ここで止めればよかったのでしょうが、思うように集まらなかったと思い込んでしまったのでしょうか、募集期間を延長し、結果として約37万件の応募があったそうで、その総数が2億8000万枚に達したというのです。そして、その配送料が10億円と見積もられたといいます。

 この報道がなされるや、また批判があがり、着払いで送付すべきとか、自治体単位で送付すべきとの意見も上がっているようです。

 余計なことをせずに廃棄すれば、6000万円で済んだものが、浅はかな行動に出たために、人の手を煩わせ、時間ばかり費やすようになっているようです。時は金なりといい、多くの人が動けば、その人件費もばかになりません。 いつまで続けるのでしょうか。優柔不断と言われるかもしれませんが、英断が必要かもしれません。

論語に学ぶ

君子の過ちや、日月の食(みちかけ)の如し。過つや人皆之を見る。更(あらた)むるや、人皆之を仰ぐ。(「子張第十九」21)

「君子の過ちは、日食や月食の姿のようにはっきりしており、隠したりしない。過てば人々はみなそれを知っている。しかし、すぐに改めるので、人々はかえって尊敬する」との意味です。

dsupplying.hatenadiary.jp

 これは弟子の子貢の言葉ですが、君子の過ちを自然現象の日食、月食にたとえ、人々がこれを凝視することを巧く表現しています。

 過ちを犯すことのないように努めるべきですが、時に人は過ちを犯してしまいます。

 ただその対処によって評価が変わるということなのでしょう。

 

 

反省できない人、繰り返される過ち

「希望者を募ったところ2億8000万枚の希望がございました」と元首相が笑みを浮かべて述べ、「もっと早くやっておけばよかった」と派閥の会合で報告したといいます。

已(や)んぬるかな、吾未だ能(よ)く其の過ちを見て、内に自ら訟(せ)むる者を見ざるなり

と、「公冶長第五」27にあります。

「残念だな。己の過ちを認め、心の中で己を責めることができる者に出会ったことがないのだ」との意味です。

 反省はあるのでしょうか。こういう人物が与党の最大派閥の長で、それを慕う議員がたくさんいることにゾッとします。こういうことだから、今でも過ちが繰り返されるのでしょう。捨てるべきは捨てなければならないのでしょう。