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【サプライズ人事】交代となる日銀総裁、目標未達、異次元の10年、残された課題は正常化

 

サプライズ人事」、日銀の黒田総裁の後任に、経済学者の植田和男氏が起用されるようです。有力視されていた雨宮氏は固辞したそうです。

日銀総裁に植田和男氏 元審議委員の経済学者―副総裁は氷見野、内田両氏・岸田首相方針:時事ドットコム

 黒田氏は総裁職を2期務め、在任日数は歴代最長で10年、4月8日でその勤めを終えるそうです。「異次元の金融緩和」でアベノミクスを支えましたが、掲げた2年間で実現するとした2%の物価目標は実現せず、10年経っても未達のままとなるようです。

 

 

正常化

 異次元な緩和政策による歪みや弊害が顕在化する中、次期総裁が「出口戦略」をどう描き、どこまで円滑に正常化を進められるか、手腕が問われることになるといいます。

マイナス金利の導入や長短金利の操作など、金融緩和の手法は中央銀行として非伝統的な領域にまで踏み込み複雑化した。(出所:JIJI.com)

 副作用なしを期待したいところですが、どこかで痛みは伴うことになるのかもしれません。耐えられない激痛にならないよう上手な手綱さばきで導いて欲しいものです。

リーダーシップと言葉の丁寧さ

 リーダーシップと強引さはコインの裏表の関係で、どちらに見えるかでイメージが決まるといいます。

アベノミクスは買いだ」との発言があった当時は期待もあり、優れたリーダーシップで良くなっていくのかと思いました。しかし、結果は伴わず、それに説明不足が加わり、後半は強引さが目立つようになったのでしょうか。

 黒田総裁と同じように、岸田首相も同じような過ちを犯しているのかもしれません。

岸田首相にリーダーシップはあるか 先崎教授に聞く政治の展望【政界Web】:時事ドットコム

 人をけん引するリーダーシップには、言葉の丁寧さが必要になると、日本大危機管理学部の先崎教授はいい、「大きな物語がないままに、「決断」「増税だ」と言うから強引で唐突に見える」と岸田首相を批評しています。

 こうした態度に、国民やマスコミは驚き、困惑し、否定するそうです。

 

 

 記事は、チーム岸田のチーム力の弱さを指摘し、イメージ戦略を含めたマネジメント能力に問題があるといいます。首相の発信力が拙いなら、客寄せパンダとして別に強い発信源を作るべきといい、優秀な人材を確保することの大切を説きます。

究極の懐刀がいない。菅氏は官房長官としてすごかったが、国の差配は全く別物だった。岸田氏は良いことを言ったのに、最初からパワーとエネルギーが失速している。(出所:JIJI.com)

「車のボディーは発色の良いカラーで、実際のエンジンは岸田。そうした組み立てをチームでできるかだ」といいます。

論語に学ぶ

君子は一言以て知と為し、一言以て不知 と為す。言 慎しまざる可からざるなり。(出所:論語「子張第十九」25)

 君子 教養人たる者は、相手の一言で賢者とわかり、一言で愚者とわかる。言葉は慎重であらねばならないと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 次期日銀総裁候補の植田氏は記者団に、金融政策を運営する上で何が重要か問われたのに対して「私は学者ですので、いろいろな判断は論理的にすること。そして説明は分かりやすくすることが重要」と述べたそうです。

 何ごとにおいても対話がスムーズになれば、空気感が変わっていくのかもしれません。今この時代に求められていることではないでしょうか。植田氏にはそんなことを期待したいところです。

 

「参考文書」

首相が日銀総裁起用意向の植田氏“現状は金融緩和継続が重要” | NHK | 日本銀行(日銀)