「スシロー」の中国北京市の第1号店がオープン、初日から長蛇の列のできて大盛況だったそうです。一時、予想待ち時間が10時間以上となるほどだったといいます。 処理水問題どこ吹く風のようだといいます。
スシロー、北京に1号店 原発処理水の逆風も長蛇の列 | 共同通信
回転すしばかりでなく、ラーメンにおにぎり、色々なものが海外で流行っているそうです。アニメや音楽などジャパニーズ・コンテンツも海外に進出、受けもよく、今まさに日本ブームでこの世の春の様相です。
日本国内はインバウンドで盛り上がり、外国人観光客がどっと押し寄せています。アクティビストやPEファンドなども同様で、海外勢が日本企業を物色しています。海外コンビニ大手がセブン&アイに買収提案する事態もおきて、こちらも日本ブームのようです。
これだけ盛り上がっているのであればもっと外貨を稼げて、日本経済も活気づきそうなものですが、その気配が微塵も感じられません。不思議なものです。
中小企業向けの補助金・助成金の申請支援など経営支援サービスを手がけていた経営コンサルティングの北浜グローバル経営が5月に経営破綻しました。
新型コロナ補助金コンサルの北浜グローバル経営が破綻 急成長のワナに陥る 信用調査ファイル - 日本経済新聞
コロナ禍において中小企業に対し公的な補助金「事業再構築補助金」などを得られるサービスが受け、急成長したそうですが、当局による補助金審査の厳格化により案件の進行遅れが続出し、資金繰りが悪化しての破綻といいます。
経営コンサルも経営破綻するのですから、この国の問題はかなり深刻のように思えます。何が問題の本質なのでしょうか。コンサルたちの知的生産力に問題があるのでしょうか。それとも国の補助制度の問題なのでしょうか。いずれにせよ、これでは、日本経済を支える中小企業の活動をわざわざ邪魔しているようなものです。ひどい話です。
世界的にヒットした宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」の舞台版の英国ロンドンでの公演が盛況のうち幕を下ろしたといいます。連日ほぼ満席に近い状態で、公演は4か月に及んだそうです。
上白石萌音さん「違った楽しみ教わった」 「千と千尋」英公演が大千秋楽へ:時事ドットコム
時代の流れに変化のようなものを感じます。日本に何か新しさを発見してくれてのことでしょうか。そもそも音楽とかアートは新しさが評価されブームになるのではないでしょうか。千尋役を演じた1人、上白石萌音さんは、日本では起きない場面での反応に「作品の違った楽しみ方を教わった」とコメントしていました。海外公演を行ってこその感想なのでしょう。
論語に学ぶ
子 九夷(きゅうい)に居(お)らんと欲す。或(ある)ひと曰わく、陋(いや)し。之を如何せん、と。子曰わく、君子之に居らば、何の陋しきことか之れ有らん、と。(「子罕第九」14)
孔子は、世の乱れを嘆いて、いっそうのこと東方の夷(えびす)にでも行くことを欲しました。すると、ある人が「卑しいところですぞ。どうされますか」といいました。孔子は「君子 教養人がそこに住むならば、どうして野鄙なことがあるだろうか」といいました。
世界は広く、何においても日本がすぐれているということはないのでしょう。外に出てみれば、色々な発見がありそうです。今この日本ブームを好機にできれば、変化の波に乗れていけそうな気もします。
「変化を常に探し、変化に対応し、変化を機会として利用する人たち」のことを、経営学者ピーター・ドラッカーは企業家といい、「変化を利する者こそが企業家」ともいいました。みながみなドラッカーがいう企業家である必要はないのかもしれませんが、それでも変化を上手に捕まえば、もう少し日本も元気になって活性化していきそうな気もします。
尚古主義ではないのでしょうが、古い時代の文物・制度などを尊び、これを模範にしようとそればかりに執着すると変化を見逃すことになるのかもしれません。日本本来の古制にも見習うべきものもあるのでしょうが、そればかりに固執するようなことがあっては変化は起こらずに時代遅れのままで終わりそうです。
政治がもう少し活性化すればいいのでしょうが、こちらも少子高齢化が激しく、与野党どちらも、いつまでたっても古ぼけたままで新陳代謝もなく、変わり映えもなく新しさを感じません。政治が変われば、世の中にも新たな変化が生まれて、雰囲気も変わっていくのではないでしょうか。
「参考文書」
橋本環奈「進化した千尋を」、上白石萌音はロンドン公演に「真っすぐに」 舞台「千と千尋の神隠し」:時事ドットコム