「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

160円にまた近づくドル円、縮まらない金利差、好調さ続く米国と変われない日本

 ドル円相場が再び下落し、また1ドル=160円に迫ってきました。理由はいつものように日米の金利差。米国のPMI発表を受け、好調な米景気が他国・地域よりも底堅く、米国の利下げ転換に時間を要しそうだといいます。

  一方で、円安の要因は日米金利差だけではないとの意見もあるようです。今は円の価値が再評価されているのだといいます。円高に転じることはなく、ドル円はしばらくこのレンジに定着すると見方のようです。

「円=安全通貨」は誤解だった 渡辺博史元財務官が説く復権策 - 日本経済新聞

 その粘着性からして、円の評価が固まりつつあるということなのでしょうか。この通貨安が日本の衰退を表していそうな気もしますが、どうなのでしょうか。

 

 

 円安でエネルギーの輸入額が膨らみ、また、いわゆる「デジタル赤字」で、米テック企業への支払いなども増えます。こうしたデメリットが強調される一方で、輸出企業の利益は膨張し、円安誘因も加わってインバウンド需要は拡大を続けています。

 デメリットがあれば、メリットもあるものです。仮に円高に転じても、メリット・デメリットが反転するだけであってどっちもどっちのような気がします。両者にとって納得のいくレンジでドル円がおさめるためにも、その利害を政治が調整できればいいのでしょうが、それがうまく機能せずに政策が偏ってしまうのが今の政治の問題ではないでしょうか。

円安によって多くの日本人は再び豊かになる 今の円安に対して過剰に反応してはいけない | 市場観測 | 東洋経済オンライン

 いずれにせよ、企業は円安メリットを十分に活しきれていないといっていいのではないでしょうか。上手に活用できれば景況感の改善は進み、課題の賃上げももっとスムーズに進めることができるようになっていきそうな気もします。

 複雑で困難な問題も、因数分解して、課題を最小単位にして取り組むようにすれば状況に変化がありそうなものです。まだそうはできずに、上位概念のところでコンフリクトしているだけのように見えます。しがらみに縛られていては政治による利害調整が機能しそうにもありません。そのゆがみが国民に押しつけられ、直接的にも間接的にも重荷になって背負わされていそうな気がします。理不尽なことです。

 

 

 今の世の中、こうした理不尽だらけになっていそうです。会社もまた理不尽な存在になっていそうです。賃上げブームの中、組合員の賃金は上がるけど、非組合員の管理職の賃金は下がったりすることもあるようです。経営者は「成果を出せ」とはっぱをかけて、KPIを振りかざし、両立しない複数の目標の達成を求め、ソリューションは各自で考えろという。

バカな上司がいない職場は一つもないのです。こんな仕事やって何の意味があるんだよといった風に、そいつに振り回されるわけです。だから、もうそこはくいしばる。我慢し続けろという意味ではなくて、ある程度、自分に力がつくまでは耐えるのです。(出所:NEWSPICKS)

 そう語るのは、森永卓郎さん。理解はできますが、何か釈然としません。こんな状態だからなかなか企業業績は改善しないかもしれません。そうした企業の総和が今日の経済状態なのでしょうし、またそれが円安にもつながっていたりするのでしょうか。

 

 

「昨今のマクロ経済の動きを見ると、どうも動きが鈍い。翻って、うちの業界も市場がこう変化しています。塾長はどうお考えになるでしょうか」....(中略).... 質問が終わった、そのとき――。両目をカッと見開いた稲盛は、すぐ右後ろに座っていたその塾生のほうを振り向きざま、おでこを平手ではたいた。

 「おまえはバカか!」 稲盛は怒声を上げた。「マクロもミクロも関係あるかい! そんなくだらん質問をするな。おまえの本当の悩みは、そんなことじゃないだろ!」

 その塾生は座り直し、顔を紅潮させながら質問を再開した。「申し訳ありません。私の本当の悩み……それは、社員が自分についてきてくれないことです。必死に頑張っているのに……」 稲盛は静かに語りだした。「おまえさんに社員がついてこんのは、社員をほれさせていないからや。この社長についていこうと思わせなあかん。ええか、ほれられる人間になるためにはな……」(出所:日経ビジネス

 さすが経営の神様といわれる稲盛和夫氏の言葉には説得力があります。そうできるからこその神様なのでしょうが。上に立つ者、「ほれられる人間」であってほしいものです。

 

 

論語に学ぶ

子貢曰わく、貧にして諂うこと無く、富みて驕ること無くんば、如何、と。子曰わく、可なり。未だ貧にして楽しみ、富みて礼を好む者には若(し)かざるなり、と。子貢曰わく、詩に云う、切するが如く、磋するが如く、琢するが如く、磨するが如し、と。其れ斯の謂いなるか、と。子曰わく、賜や、始めて与に詩を言う可きのみ。諸に往を告げて、来を知る者なり、と。 (「学而第一」15)

 弟子の子貢が「貧乏はしていても媚び諂うことなく、どんな術を使ってでも物を求めるようなことはせず、金持ちであっても高ぶらない、というのはいかがでしょうか」と尋ねました。すると孔子は「いいことだ、しかし、貧乏でありながら楽しく暮らし、金持で礼を好む者には及ばないだろう」と答えました。子貢は、すぐさま「詩にある『切磋琢磨』のことをいっているのですね」と答えました。孔子は「賜君、分かっている君となら詩を談じ合える。話を一度聞くと、その先のことが見える力がある」とほめたといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 上司と部下の関係が、孔子と子貢のような師弟関係に近づいていけばいいのかもしれません。

「切磋琢磨」、骨は「切」、象牙は「磋」、玉は「琢」、石は「磨」、これらはすべて加工を示す動詞であって、道徳をいやがうえにもみがくという意味があるそうです。道徳を磨けば人間性も高まっていくのではないでしょうか。その人間性が周囲の人を魅了することもあるのではないでしょうか。それと同時に自分の専門性を伸ばすこともしていければよいのかもしれません。

 

 

「参考文書」

円相場が一段安、1ドル160円迫る 米景況感上振れでドル買い - 日本経済新聞

円安下でも基調的な物価上昇率の低下傾向が続く(5月CPI統計):2%の物価目標達成は難しい|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

経済対策:補助金復活、批判の声 見えぬ出口、政府内からも 首相経済対策 | 毎日新聞

骨太方針では労働市場改革が注目点の一つ:労働生産性向上を通じた持続的な実質賃金の上昇が重要|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

ダイアローグ | 【森永卓郎】いま伝えておきたい、「会社の理不尽」を楽しむ方法

【完全図解】高すぎる目標も達成できる、3つの意外な方法

習慣で「非認知能力」は磨かれる 人生100年こわくない・マネー賢者を目指そう(熊野英生) - 日本経済新聞

稲盛和夫氏「くだらん質問をするな!」と塾生をしかる:日経ビジネス電子版