「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【世代交代】古い政治と若い世代は共存できるのだろうか

 

 首相が、自民党内の各派領袖たちと会食を重ねているそうです。支持率低下、世論の逆風で党内の求心力が低下、動揺が拡大することを懸念し、杯を酌み交わすことで自らの足元を固めようとしているようだといいます。

 新しい資本主義を主張する首相も、政治手法が古ぼけたままのようです。

岸田首相、派閥領袖と会食続々 政権体力低下で動揺懸念:時事ドットコム

党幹部は「首相は政権の弱体化を意識しているのだろう」と指摘。党内からは「『岸田降ろし』の声が上がらないのは、首相と派閥領袖の会食が効いているからだ」(関係者)との声も漏れる。(出所:JIJI.com)

 党内重鎮の声に耳を傾けることが悪いことではないにしても、自身の理念を実現するために、広く賛同者を集い、研究し学習を続けることが求められすはずなのに、これまでの習慣やしがらみに縛られては、新たなことが実現することはなさそうです。

 

 

 一方で、若い世代の中から、若者たちの政治参加を促そうと活動する人もいるようです。

「若い世代なくして日本はない」との理念を掲げ、低迷する若者の投票率を上げるために活動する「NO YOUTH NO JAPAN」。 この団体の代表理事を務める能條桃子さん(24)はメンバーを集めるためにSNSで発信を続けているそうです。

なぜ日本の政治家は高齢男性ばかりなのか…若者が投票も立候補もしない本当の理由 40歳以下の議員の割合は150カ国中125位 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

わたしたちがいるよと示すために、選挙に行く必要があるのです。20代の1.5倍いる60代が、20代の2倍選挙に行く。これが今の日本の現実です……一緒に何かやりませんか?(出所:プレジデントオンライン)

 また、能條さんたちは今年9月、「NO YOUTH NO JAPAN」とは別に、若い女性候補者を応援する「FIFTYS PROJECT」を立ち上げたそうです。

「投票に行くだけが政治参加ではない」という問題意識がきっかけといいます。このプロジェクトは20~30代の女性議員を増やすことを目的とし、まずは来春の統一地方選挙に照準を合わせ、全国の地方議会で200人以上の女性が立候補することを目指しているといいます。

 

 

「活動を持続させ、参加者の幅を広げるためには、“企画屋”が引っ張るだけではできないと思っています」と能條さんは語ります。

論語に学ぶ

学んで時に之を習う、亦(ま)た説(よろこ)ばしからず乎。有朋遠方より来たる、亦た楽しからず乎。人知らずして慍(いか)らず、亦た君子ならず乎 (「学而第一」1)

 一つの学説を知り、それにもとづいて他の本を読んでみたり、自然や社会の現象を解いてみたりする。そうしたことを繰り返していると、必ず友となる人もやってきて、同じ道を営む仲間となり、喜びを分かち合える。

「学ぶ」とはまねること、「習う」とは繰り返し行うこと。つまり、学ぶとは何かを知ることであり、習うとは知ったことを実際にやってみることを意味するといいます。

 学問を共に志すものは孤独ではない。必ず友が遠くからもやってきて、同じ道にいそしむ喜びが味わえるのだとの意味もあるといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子は、3000人の弟子、同志を引き寄せたといいます。そして、2500年の間、脈々と読み継がれる『論語』というムーブメントを作りました。

「学習」、先人たちをまねては、それを繰り返し、仲間が集っては同じことを繰り返し、社会の現象を解いてみたりする、そうすることで、新たな発見があり、それを実際に試してみることで、また学習の機会が生まれるということなのかもしれません。やがて、そうした活動によって生み出された価値が、多くの人たちから共感を得られ、またそれが普遍的価値あるものと認知されれば、社会に定着していくことになっていくのかもしれません。

 

 

 若い世代が若い世代のために活動する「NO YOUTH NO JAPAN」も幅広い世代に認知され、共感を得て、応援、支援を得られれば、大きなムーブメントになっていくのかもしれません。

 時に高尚な理念はひとりよがりになることもあります。理念を実現しよう願うのであれば、時には自分たちの外側にあるものの力に頼る勇気も必要なのかもしれません。

 時間は有限なので、自分もやがて歳を取れば、その理念と矛盾することになりかねないので。

 古い政治家が牛耳る日本より、自分たちの未来を真剣に思う若者たちに未来を託してみてもいいのではないでしょうか。世代交代が求められているのでしょう。